文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

■脅しに怯えているのは小泉の方だ。


 政府は、昨日(10日)、今後の防衛力整備の基本方針となる「防衛計画大綱」と「次期中期防衛力整備計画(2005-2009)」を閣議決定した。新しいところでは、北朝鮮や中国を軍事的脅威として名指しし注意を喚起しているところだろうか。特に中国に対して「中国は、核、ミサイル戦力や海・空軍力の近代化を推進、海洋における活動範囲の拡大などを図っており動向には注目しておく必要がある」としている。高度経済成長を背景に軍備拡張を続ける中国に対して軍事的に対抗する姿勢を示したことは評価していいが、しかしどれだけ具体的に実行できるか、かなりあやしい。先日、温家宝と会談した小泉は、先ごろ発生した中国原子力潜水艦の領海侵犯問題で抗議するのかと思っていると、逆に靖国参拝中止を強要され、すっかり蒼褪めた顔で出てきた。しかも、小泉はなんとそれ以後「靖国参拝」にダンマリを決めこむようになった。脅されて震え上っているのは小泉の方なのだ。小泉は、北朝鮮に対する経済制裁の発動でも決断を躊躇して、「しばらく様子をを見たい」と暢気なことを言っているが、おそらく、裏交渉の席でキム・ジョンイルに脅されているのだろう。小泉は、経済制裁を発動した後の北朝鮮側の反撃に怯えているのだ。小泉が、前後の見境もなく動くのは、「選挙前」だけである。選挙日程がない現在、経済制裁であれなんであれ本気でやるはずがない。ところで、防衛予算については、財務省の片山ナニガシとかいう、「美人でやり手」という評判のオバサン主計官が大幅削減を主張して話題になったが、結果はどうということはなかったようだ。その「やり手」のオバサンが、今月号(1月号)の「中央公論」で「自衛隊にも構造改革が必要だ」と発言しているらしい。まだ読んでいないが、むろん読む気もしないが、いずれにしろいまだに「構造改革」という言葉をありがたがっているようでは世も末である。むろん、とんでもない勘違いである。というより、構造改革の意味についてまったく無知蒙昧であることを露呈している、と言わざるをえない。「構造改革とは節約のことなり」(笑)。「やり手」なんて言葉はマスコミの幻想であって、見掛け倒しに決まっている。東大法学部出身の経済官僚は「経済音痴ばかり」とは、先日、斎藤進氏(エコノミスト)から伺ったばかりだが……。