文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

■ブッシュ再選の意味と無意味

 



 アメリカの大統領選挙が終わった。結果に対する論評もほぼ出尽くしたと言っていい。予想が「当たった、当たった。」と騒ぐ人もいれば、未だに未練がましく、ほんとうはケリーが勝っていたが、組織的な不正行為によってブッシュ勝利が捏造されたと言いつづける人も少なくない。組織的な不正行為と言えば、特にタッチパネルによる電子投票で不正が行われていたようだ。出口調査と実際の開票結果が極端に離れていた選挙区は、機械による投票が行われていた地区らしい。それに反して従来どおりの投票用紙を使った選挙区は、出口調査の通りだったようだ。
 いずれにしろ、ケリーが早々と敗北宣言をしてしまった今、ブッシュ勝利が覆ることはない。むしろ正確・厳密な選挙結果を無視した「ブッシュ圧勝」というイメージだけが先行し、今やそれが世界的に定着してしまっている。
 しかし、ブッシュは本当に圧勝し、大勝利をおさめたのか。
 僕は、ブッシュ支持の方なので、別にブッシュが勝っても当然だろうと思うが、ブッシュ嫌いのアメリカ人や、あるいは日本人にはやはりショックだったのではなかろうか。選挙直前と直後(出口調査)の予想ではケリー優勢が定着していたはずだったから……。
 投票日の2、3日前に、ビン・ラディンがテレビ画面に登場して、さかんにアメリカやアメリカ政府に対して挑発的な発言を繰り返していたのは、何が目的だったのだろうか。ブッシュ当選を目指してのブッシュ援護行動だったのか。ブッシュを当選させて対立構造をより鮮明に、より過激にすることが目的だったという解釈も成り立つが、はたしてどうだったのか。いずれにしろビン・ラディンの映像がブッシュに有利に働いたことは間違いない。
 ということは、投票日直前に、ビン・ラディンが登場してこなければ、ブッシュは惨敗していたと言うことになるが……。