文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

小沢一郎が「野田発言」に逆襲。毎日新聞によると、小沢一郎が、珍しく、「野党新党から小沢一郎を排除せよ」という野田の子供染みた「暴走発言」に、反論したらしい。当然である。

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しかし、小沢一郎は、私の知る限り、この種の低俗的な誹謗中傷発言には、原則的に「反論」も「攻撃(口撃)」もしない人である。しかるに、今回の野田発言に「反論」したのは、放置できないものを感じとったからであろう。それは、「連合」の大会での発言であり、野党共闘、あるいは野党新党の行くへを左右しかねない発言であったからだろう。


これは、野田発言が必ずしも野田個人の暴走発言ではないということだ。野田の背後や周辺には、まだまだ「反小沢」グループが存在するということを、小沢一郎が軽視していなということだろう。前回の政権交代を潰し、民主党政権を崩壊させたのは、まさにそういう「反小沢一派」だった。


渡部恒三藤井裕久等を軸に集まり、政権交代を骨抜きにし、民主党政権潰しを画策した一派である。今、彼等が、民主党内で、どういう状況に追い込められているか分からないが、「小沢復活」と共に、再び息を吹き返しつつある可能性が高い。もちろん、渡部恒三藤井裕久仙谷由人等は、すでに落選、あるいは政界を引退し、政治的パワーはゼロである。しかし、彼等の動きを軽視してはならない。


野田等の背後には、財務省や外務省などの植民地主義的な官僚群、御用文化人やマスコミ、あるいは米国政府、ジャパンハンドラーズ、CIA・・・などがいる可能性が高い。今回、小沢一郎が、野田の「小沢排除発言」に敢えて反論したのは、彼等の動きを封じ込めるために、先手を打つ必要があったからだろう。

(続く)



小沢一郎氏>野田前首相発言に不快感
毎日新聞 3月8日 18時59分配信


 生活の党の小沢一郎共同代表は8日の記者会見で、民主党野田佳彦前首相が野党結集時に小沢氏を排除すべきだと発言したことに対し、「私が嫌われているのは不徳の致すところだが、国民の野党共闘への期待を考えれば、もう少し高い次元で話した方がいいのではないか」と強い不快感を示した。


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 2016年はサウジアラビアとイランの国交断絶、北朝鮮の水爆実験発表など、きな臭い幕開けとなった。昨年同様イスラム国のテロも頻発しており、国際社会全体が混乱に陥っている。もちろん日本も例外ではない。沖縄の米軍基地問題や甘利大臣違法献金疑惑、軽井沢のスキーバス事故など、多くの不安定要素を抱えている。
 混乱の原因はどこにあるのか、我々はこの混乱を乗り越えることができるのか。作家の佐藤優氏と哲学者の山崎行太郎氏に、SMAP分裂騒動から資本主義の行く末まで、縦横無尽に語っていただいた。

◼「分裂の時代」がやってきた


山崎 僕は現在の世界は「分裂の時代」に突入したのではないかと考えています。国際社会を見回してみると、イスラム社会の分裂は食い止めようがない状況ですし、イギリスもスコットランド独立という形で分裂が進んでいます。ドイツも難民問題のために国論が二分しているし、中国も台湾の選挙によって「一つの中国」政策が成り立たなくなりつつあります。
 これは日本にも言えることで、普天間基地問題をめぐって本土と沖縄の分裂はかなり深刻になっています。昨年末に行われた慰安婦問題に関する日韓合意によって保守論壇も分裂しましたし、蓮池透氏の暴露本『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)により拉致被害者家族も分裂気味です。さらに山口組も分裂したし、アイドルグループ「SMAP」まで分裂騒動を起こしました。これも単なる芸能界の内輪揉めといった話ではなくて、分裂の時代を象徴するものではないかと思います。


佐藤 御指摘の通りと思います。維新の党も分裂したし、民主党も分裂寸前ですよね。そうすると、少し時差をおいて自民党も分裂しますよ。今、分裂がトレンドになっているんですよ。核分裂と一緒で、分裂しやすい環境になりつつあるんでしょうね。



山崎 僕はこう思うんです。分裂騒動が起こるということは、組織内部に強大な力を持つ個人や集団が現れたということですよね。組織の中に強い者がいるというのは、その組織にとって決して悪いことではありません。彼らと論争などを重ねれば、組織自体も鍛えられるはずです。
 だから、保守派がよく「国民全員が一致団結すれば日本は強くなる」みたいなことを言っているけど、間違いだと思いますね。それは組織と対立するような存在を許容できないということであり、むしろ組織が弱体化している証拠です。



佐藤 分裂を許容できるのは権力が強い証拠だというのは、その通りだと思います。その意味で言うと、日本が現在の沖縄の分離傾向を完全に力で抑え込んでいないのは、権力が強い証拠なのかもしれない。もう少し弱くなってくると、治安出動や沖縄県知事を逮捕するとかして、力で抑え込むかもしれない。あるいは、百田尚樹さんが言っているように「沖縄の二つの新聞は潰さなあかん」ということで、新聞法みたいなものを作って事後法を適用するかもしれない。国家が弱くなってくるとそういうやり方になるんでしょうね。
 SMAPの分裂騒動にしても、事務所から出ていくことによってそれ以上の利益があると期待した人間がいたから起きたわけですが、ジャニーズ事務所が分裂騒動を許容できたのは彼らが強いからでしょうね。事務所がもっと弱ければ、何をされるかわからないということで、SMAPも出ていこうとはしなかったと思う。


山崎 その場合はそもそも分裂騒動は起こっていないですよね。


佐藤 それで今回の騒動を経てSMAPが分裂しなかったとすれば、ジャニーズ事務所はさらに強くなりますね。「お前ら坊主になれ」とか「24時間テレビで100キロマラソンだ」とか、そんな感じでちゃんと責任もとらせるでしょう。



桜井誠と加藤智大に通底するもの


山崎 僕が特に関心を持っているのは、日韓慰安婦合意によって保守派が分裂したことです。例えば、保守論壇で大きな影響力を持っている櫻井よしこさんは、かつては「河野談話を潰せ」とまで言っていました。ところが今回の合意については、河野談話と同じような内容なのに、「国際社会から高く評価されているから外交的には大成功だ」と評価しているんです。
 それに対して、例えば「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長の桜井誠さんは、ツイッター上でこの合意を厳しく批判しています。僕は桜井誠さんの排外主義には反対ですが、言動の一貫性という点について言えば、桜井誠さんの方が櫻井よしこさんより断然上だと思いますね。
佐藤 その通りだと思います。だから大いなる逆転現象なんだけれども、ネット右翼の方がテレビに出てくるような安倍応援団よりも本物だと思う。思想の覚悟というか、思想の本気度が全然違いますね。


山崎 櫻井よしこさんたちのような保守派は、勢力は大きいようだけど、思想的な中身は何もなくなってしまいましたね。



佐藤 一昔前の左翼論壇に似ていますよね。当時の左翼は数は多いんだけども、偽物集団になっていた。そこに江藤淳さんとかそういった人たちが匕首を突き付けたわけですが、一昔前と逆転してしまっていますね。
 今の左翼論壇で凄い人と言えば、中島岳志さんですよ。中島さんは2008年に秋葉原で殺傷事件を起こした加藤智大について、『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』(朝日文庫)という本を書いているんです。中島さんは加藤智大が獄中で書いた本を読み込み、加藤の友人などにも徹底的に取材しています。
 彼はこの本で、加藤智大の思想こそ本物の思想であるということで、加藤への親近感を包み隠さず書いています。ああいう人に親近感を覚えるということは、中島さんの中にもよく似た琴線があるということですよ。中島さんは保守論壇でも仕事をしているけど、実は彼の本質は加藤智大的なものなんだと思う。……



以下全文は本誌3月号 をご覧ください。
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