文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

『ネットと愛国』と『江藤淳と大江健三郎』。現地取材中心主義から思考力中心主義へ。最近の思想的劣化を象徴するように、文壇や論壇やジャーナリズムは、現地取材や現場体験に頼りすぎて、思考力や分析力が無視されているように見える。単純素朴な現場取材による粗雑なバッシング本が多すぎる。たとえば、安田浩一の『ネットと愛国』、小谷野敦の『江藤淳と大江健三郎』。これらには批評的思考力が欠如している。現地取材中心主義である。


人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ

小谷野敦の『江藤淳大江健三郎』を、本屋の片隅で見つけたので立ち読みしてみたが、これがまた、安田浩一の『ネットと愛国』と同様に、ひどいものだった。自分が「東大卒」であることになんの疑問も抱かずに、単純素朴な「上から目線」の眼差しで、対象を見下そうとする内容で、三流週刊誌のバッシング記事以下の下品で、通俗的なものだった。「私大卒」の文藝評論家・江藤淳を、「私大卒」であるが故に批判・罵倒・嘲笑する一方で、「東大卒」の作家・大江健三郎というノーベル賞作家を絶賛するというような単純なものだ。どこにも「批評」はない。つまり思考力や分析力がゼロなのである。私は、大江健三郎江藤淳も、若い時から愛読し、深く影響を受けている。私にとっては、二人とも尊敬、畏怖に値する表現者だ。批判するにせよ絶賛するにせよ、それなりの知識と教養と覚悟が必要だろう。しかし、小谷野敦の本にはそれがまったくない。教育ママ的な幼稚・素朴な学歴信仰があるだけである。「大江健三郎も俺(小谷野敦)も「東大卒」である、だからエライ、江藤淳は、自分は「私大卒(慶大)」で、父親が「に中央大学経済学部卒」であるから学歴コンプレックスを持っていたのだろう、だから「保守思想」に転じたのだろう・・・」というわけである。これは、芸能週刊誌以下の単なるバッシング記事である。私は落胆せざるを得なかった。これが日本の文壇、論壇、ジャーナリズムの現在の思想的レベルだ、と。私にも、多かれ少なかれ、学歴信仰はある。偏差値の高い大学や高校に行きたいし、偏差値の高い学校に誇りを持つだろう。しかし、小谷野敦の学歴信仰は異常である。小谷野敦の学歴主義的思考満載の本を読んでいると、生理的嫌悪感を感じる。これは一種の病気だろうと思わざるをえない。絶賛されている大江健三郎も、いくら絶賛されても、これでは喜ばないだろう。そもそも、小谷野敦自身は、「東大卒」と言いながら、何処の馬の骨なのか?小谷野一家は、皆、東大卒ばかりの高偏差値一家なのか?父親の学歴は?弟の学歴は?おそらく逆なのだろう。小谷野敦が、江藤淳の一族(「小和田雅子」を通じて天皇家にも繋がる!)の家系に強いコンプレックスを抱いているから、唯一の有利なカードであるらしい「東大卒」に異常にこだわるのだろう。かえって、小谷野一家の貧しさが露呈していて、哀れである。それにしても、こういう稚拙で、粗雑・下品なバッシング本が、「講談社」や「筑摩書房」という、それなりに権威あると思われている出版社から出版されているということに、日本の現在の思想的な堕落と劣化を感じる。本が売れないというが、それも当然だろう。こういう低劣な本ばかり読ませられたら、「本」など読む気もなくなるだろう。今は、書籍よりネット情報の方が、玉石混合ながらも、読むに値する。書籍化されていない未発表の優れた論文などもネットで読むことが出来る。私は、新聞も本も読まない。テレビも時計代わりにつけっぱなしにしているだけだ。必要な本は、図書館で読み、必要とあれば、すべてAmazonで買う。昔は古本屋巡りを趣味としていたが、最近は本屋にも古本屋にも滅多に行かない。本屋は立ち読みするために行くだけだ。(続く)





山崎行太郎の本。


安倍政権は「ネット右翼政権」である。安倍政権の正体を知りたければ、これを読むべし。最近の日本の「保守」は「エセ保守」ばかり。山崎行太郎著『保守論壇亡国論』と、佐高信氏との対談集『曽野綾子大批判』は、安倍政権とそれを支持する現代日本人の「思想的劣化」=「政治的劣化」=「反知性主義化」を哲学的に分析・解明しています!

⬇︎⬇︎⬇︎

⬇︎⬇︎⬇︎
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4906674526?ie=UTF8&at=&force-full-site=1&ref_=aw_bottom_links




曽野綾子批判」の元祖・佐高信氏と、「沖縄集団自決論争」以来、曽野綾子批判を続ける山崎行太郎との過激な対談集。
⬇︎⬇︎⬇︎

Amazon⬇︎ http://www.amazon.co.jp/gp/product/4906674577?ie=UTF8&at=&force-full-site=1&ref_=aw_bottom_links


文芸評論家・江藤淳の「小沢一郎論」をヒントに、「政治家・小沢一郎」の思想と行動を論じた存在論的政治家論。
⬇︎⬇︎⬇︎
『それでも私は小沢一郎を断固支持する』

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4862860605?ie=UTF8&at=&force-full-site=1&ref_=aw_bottom_links



イデオロギー的な観点からではなく、存在論的観点から「三島事件」の本質を解明した異色の三島由紀夫

⬇︎⬇︎⬇︎
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4946515577?ie=UTF8&at=&force-full-site=1&ref_=aw_bottom_links




柄谷行人氏が絶讃、推薦した山崎行太郎の処女作。哲学者・文藝評論家=「山崎行太郎」誕生の書。
⬇︎⬇︎⬇︎

Amazon⬇︎

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4882024977?ie=UTF8&at=&force-full-site=1&ref_=aw_bottom_links




人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ (続きは、「イデオロギーから存在論へ」「文学や哲学を知らずして政治や経済、軍事をかたるなかれ」がモットーの『思想家・山崎行太郎のすべて』が分かる!!!有料メールマガジン『週刊・山崎行太郎』(月500円)でお読みください。登録はコチラから→http://www.mag2.com/m/0001151310.html


人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ