文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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佐藤優と柄谷行人(3)ー「畏怖する人間」とは何か?


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柄谷行人は、『畏怖する人間』の中の「漱石論」で、こう言っている。 『おそらく、漱石は人間の心理が見えすぎて困る自意識の持ち主だったが、それゆえに見えないなにものかに畏怖する人間だったのである。何が起こるかわからぬ、漱石はしばしばそう書いている。漱石が見ているのは、心理や意識をこえた現実である。科学的に対象化しうる「現実」ではない。対象として知りうる人間の「心理」ではなく、人間が関係づけられ相互性として存在する見出す「心理をこえたもの」を彼は見ているのだ。』 ここで柄谷行人は、何を言おうとしているのだろうか。「見えないなにものかに畏怖する人間」とは何だろうか。あるいは、「心理や意識をこえたもの」とは、何であろうか。われわれは、戦争や事件や事故が起きると、その後に、「後講釈」を繰り返し、様々な分析や解釈を加え、なんとなく分かったような気になり、安心し、その切実な経験や体験を忘れる。つまり、「自然」や「歴史」への畏怖する精神を失う。



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