文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

近代科学啓蒙主義の貧困。鬼怒川の氾濫=決壊の意味するものとは何か。


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夏目漱石は、「何が起きるか分からない」と言ったが、そう考える人は少ない。「実証」「反復」「再現」が近代科学の本質だと、科学者(実は科学主義者?)は言う。「小保方事件」の時もそうだった。近代科学は、「まだ思惟されたことのないもの」(ハイデッガー)、つまり、「まだ体験したことのないもの」を思惟することは出来ない。そういうことを思惟し、研究することは科学ではないと科学主義者たちは、自信満々に言う。それが、現代人に蔓延している科学啓蒙主義である。近代科学主義の元祖とも言うべきデカルトは、近代科学主義を妄信していなかった。デカルトは、現代人のように、素朴なデカルト主義者ではなかった。デカルトデカルト主義=近代科学との差異に無自覚になったのが現代である。佐藤優柄谷行人の思想的本質は、デカルトデカルト主義の差異に自覚的であるというところにある。近代は、「合理主義」や「科学主義」への妄信から出発した。現代は、その妄信は、頂点に達しているが、その妄信が、鬼怒川堤防決壊による被害を拡大させているように思われる。そいう時、いつも「想定外」とか、「今までに経験したこよのない大雨」・・・というのが常である。安直な結果論である。むろん、すぐ忘れる。現代科学を信用しているかぎり、大丈夫・・・という妄信=妄想が、現代人の脳内を占拠している。「何が起きるか分からない」と夏目漱石は言ったが、漱石のような思考をするものは少ない。

(続く)



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