文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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マッカーサー証言は信用できるか?日本の戦後史に決定的影響を与えたマッカーサーだが、そのマッカーサーの証言や回想は、果たして、そのまま信用してもいいものなのか?それとも、なんらかの政治的意図を持った怪文書、あるいは捏造文書のようなものなのか?

dokuhebiniki2015-05-27



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マッカーサー証言が、怪文書か捏造文書かはともかくとして、あまり信用できない証言であり回想だということは、今や常識となりつつある。マッカーサーは、自分の立場や名誉を守るために、日本に迎合的な「天皇証言」を初めとして、「太平洋戦争は侵略戦争ではなく、自衛戦争だった」という米議会での証言などを、巧妙に利用している気配があると言うことだ。


渡部昇一は、『東条英機 歴史の証言者』の冒頭で、マッカーサーの証言を、引用している。いわゆる「太平洋戦争は侵略戦争ではなく自衛戦争だった」という米議会での証言である。このマッカーサー証言もまた、そのまま、素朴に信用してもいいものかどうか。おそらく学問的には信用できない。


渡部昇一も、マッカーサー証言を、あまりにも素朴に信用しすぎているという時点で、歴史家失格だろう。


マッカーサーは、敗戦国民たる日本人にとっては、占領軍最高司令官として、絶対的権力者だった。しかし、米国政府や国際社会から見れば、マッカーサーの地位は、かなり危ういものだった。日本占領政策を上手く実行していくためには、未だに、日本国民に深い影響力を持つ天皇のカリスマ的な権威と権力を利用せざるを得なかった。


その結果が、「マッカーサー回想記」における「天皇発言」だったのだ。マッカーサーは、日本占領をスムーズに行っていく上で、「天皇美談」を捏造し、「天皇美談」流布の上で「政治利用」したのであり、昭和天皇も、マッカーサーと協調したのである。それが、日本の戦後史の始まりであった。


今では、「マッカーサー回想記」が捏造であることは、米国側から公開された公文書、資料、文献、あるいはマッカーサー天皇の会見で通訳を務めた奥村某の証言などによって、実証的に明らかになっている。


しかし、櫻井よしこ田久保忠衛渡部昇一を筆頭に、日本の「保守論壇」や「ネット右翼」の間では、未だに、「マッカーサー回想記」のなかの「天皇美談」が、そのまま素朴に信じられている。信じがたい風景である。

(続く)

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