文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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櫻井よしことマッカーサー。

dokuhebiniki2015-05-21



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櫻井よしこは、「マッカーサー回想記」における天皇記述を、そのまま鵜呑みにするという、決定的間違いを犯している。「マッカーサー回想記」の記述によると、昭和天皇は、マッカーサーに対して、「全責任は自分にある」「自分の命はどーなってもいい」・・・といったことになっている。

歴史事実との矛盾


日本が占領されたとき、昭和天皇マッカーサーに、全責任は自分にありと言って、日本国と国民を守ろうとした。マッカーサー重光葵外相に感動して伝えた天皇のお言葉は次のようなものだった。

「私は日本の戦争遂行に伴ういかなることにもまた事件にも全責任をとります。また私は日本の名においてなされたすべての軍事指揮官、軍人および政治家の行為に対しても直接に責任を負います。自分自身の運命について貴下の判断が如何様のものであろうとも、それは自分には問題でない。構わず総ての事を進めていただきたい。私は全責任を負います」


決して他人に責任転嫁されない姿勢に感動するのはひとりマッカーサーだけではないだろう。このような天皇を守り通したのが、“A級戦犯”とされた人々、就中、東条だった。


東条は極東軍事裁判で日本を犯罪国家として裁いたキーナン検事に、最初は「日本国の臣民(自分)が陛下のご意思に反してかれこれすることはありえぬことであります」と答えた。昭和天皇は「彼(東条)程朕の意見を直ちに実行したものはない」と語っているが、東条の証言はまさに真実そのものだっただろう。しかし、次の法廷で東条は「(天皇は)私の進言、統帥部その他責任者の進言によって、しぶしぶ(戦争に)ご同意になった」と述べて、証言を変えたのだ。
(櫻井よしこ『異形の大国 中国』)


しかし、その後の研究で、このマッカーサーの発言や記述は真実でないということが、ほぼ明らかになっている。つまり、この「天皇記述」は、マッカーサーの作り話、ないしは捏造である。ところが、櫻井よしこは、「マッカーサー回想記」の記述や発言(重光葵手記)を鵜呑みにしている。明らかに誤読であり、失態である。(続く)



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