文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

室谷克実と小室直樹の落差。韓国国民にとって「安重根」「李舜臣」とは何ものか? 室谷克実は、「安重根」を「伊藤博文」殺害の「テロリスト」と呼び、こんなテロリストを国民的英雄とみる韓国国民を、劣等国民と見なし 、嘲笑するが、果たして、室谷克実の評価は正しいのか? 室谷克実こそネット右翼以下の「居酒屋政論オヤジ」ではないのか。実は、小室直樹が、「安重根は偉大な人物だった」と、安重根を絶賛していることを知っているだろうか?・・・「室谷克実の『呆韓論』を『保守論壇亡国論』で読み解く。」

dokuhebiniki2014-03-02



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繰り返すが、室谷克実の『呆韓論』や『悪韓論』・・・など、一連の「反韓論本」を読みながら、最近の日本人の「思想的堕落」と」「一億総ネット右翼化」を強く感じないわけにはいかない。むろん、日本人も 、ついこの前までは、そうではなかった。小室直樹に代表されるように、韓国や韓国人が好きとか嫌いとかいう以前に、もっと韓国文化や朝鮮文化をよく理解できていた。


小室直樹の『韓国の悲劇』(1985)はハングル語に翻訳され、韓国でベストセラーになった。むろん、この本は韓国を絶賛した本ではない。批判するところは批判し、擁護するところは擁護している。その後、小室直樹は、韓国に招待され、ソウル大学で講演までしている。しかも、ソウル大学では激論を闘わせている。しかし、小室直樹は韓国で人気者になった。韓国の人々も、小室直樹の主張は筋が通っていたから、耳を傾けないわけにはいかなかったのである。


小室直樹は、韓国に迎合した韓国論を展開したのか。そうではない。小室直樹の日韓関係論は、きわめて学問的な韓国論だった。韓国側も認めざるを得なかったのである。それと比べると、室谷克実やネット右翼の連中の軽薄な韓国蔑視論は、あまりきもひどい。室谷克実らの「反韓論」を見ていると、あまりにも程度が低いが故に、それがそのまま、日本人蔑視論にほかならないと感じる。


たとえば小室直樹の韓国論。古代から日本は朝鮮から多くのこと学んできたと言いつつ、小室直樹は、安重根についても、室谷克実とは異なり、日本人から見ても、素晴らしい人物(「勤王の志士」)だったと言って絶賛している。要するに、室谷克実の安重根論と小室直樹安重根論の落差に驚かないわけにはいかない。


小室直樹の『韓国の悲劇』の中には、次のような文章がある。
安重根とはいかなる人物か。満鉄の筆頭理事田中清次郎氏は、「あなたが今まで会った世界の人々で誰が一番偉いと思いますか」との安藤豊禄氏の問いに対して、言下に「それは安重根であると言い切った。・・・田中清次郎氏は、大変伊藤公に可愛がられた人である。・・・その田中氏が、恩人の仇、安重根こそ世界一の人物だと言下に断言したのである。・・・それもこれも安重根の主張と態度があまりに見事だったからである。平石旅順高等法院長から検事、判事、看守にいたるまで安重根に接する者はみんな彼を尊敬してしまう。》


安重根を、韓国の人々が国民的英雄として尊敬しているだけではない。日本人でさえ、尊敬していたと言う。安重根は、明治天皇を尊敬していた。伊藤博文が、明治天皇の「東洋平和」「韓国の独立」の理想を、裏切ったと思ったから襲撃したのだ、という。従って、安重根の「書」を求める日本人が後を絶たなかったと、小室直樹はいう。


これが、「テロリストを国民的英雄にするなんて・・・」と韓国国民を愚弄する室谷克実の「安重根論」とは、あまりにも違うことは明らかだろう。室谷克実と小室直樹の「安重根評価」の落差は、何に由来するのか。小室直樹より室谷克実が、韓国や韓国文化について精通しているのか。そうではない。逆だろう。室谷克実の韓国論は、単なる無知蒙昧、且つ下卑た韓国蔑視論であり韓国差別論にすぎない。この程度の本が、書店の店頭にうず高く積み上げられていること、そしてそれを読む人が多数いること、これこそ日本の恥だろう。

(続く)

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