文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

これが皇軍の成れの果てか?帝国軍人・赤松嘉次を擁護しようとして、逆に、赤松部隊の戦争犯罪を暴露した曾野綾子の『ある神話の背景』を読む。ー「曾野綾子研究」4ー

曾野綾子は皮肉なことに、帝国軍人・赤松嘉次の「名誉回復」を目指して『ある神話の背景』を書いたのだろうが、逆に名誉回復どころか、赤松部隊の戦争犯罪ともいうべき「住民斬殺」「集団自決」・・・を次々と暴露する結果に終わっている。「集団自決に軍の命令はなかった」を論証することに夢中になるあまり、「住民斬殺」の犯罪性の方には、無関心になってしまったということだろうか。しかし、私は、やはり日本の軍隊が日本人住民を次々に斬殺していく姿に、「これが皇軍の成れの果てか?」と思う。さて、一昨日、土曜日(11/2)、日大芸術学部の学園祭だった。と言っても私は関係ないのだが、山下先生と山下ゼミが企画する「金お卵ー文学賞」授賞式のイベントが開かれるというので行ってきた。しかし、前日が勉強会と飲み会で深夜帰宅という状態で、しかも最近、またまた曾野綾子の『沖縄戦 渡嘉敷島 集団自決の真実』(『ある神話の背景』を改題)や「沖縄集団自決論争」という話題に再びはまり込み、ここ数日、朝、目覚めると、『沖縄戦 渡嘉敷島 集団自決の真実』に読み耽るという状態なので、ついつい、時間感覚がなくなってしまった。気がつけば、すでに時間をオーバーしている。休みにしようか思ったが、約束していた手前、顔だけでも出そうと思って駆けつけると、やはり、もう終わっていた。イベント会場になるはずだった舞台周辺に人影なし。清水先生に電話するとゼミ室に集まっているらしい。このまま帰ろうかと思ったが、学園祭をちょっと覗き、夕方の飲み会の時間まで、いつも行く喫茶店で、『沖縄戦 渡嘉敷島 集団自決の真実』を読むことにする。私は、読みながら、やはり、赤松隊長や赤松部隊の兵士が、米軍の猛攻撃で追いつめられていたとはいえ、善意から「投降勧告」にきた現地住民などを、女性や少年たちまでも、斬殺していく姿には、やはり言葉もない。
赤松嘉次、および赤松部隊は、沖縄現地住民などを、スパイ容疑などで、以下のように斬殺、銃殺している。

 赤松隊がこの島を守備していた間に、ここで、六件の処刑事件があつた、といわれる。琉球政府立・沖縄資料編集所編『沖縄県史』によっても、そのことは次のように記されている。
 一、伊江島から移住させられた住民の中から、青年男女六名が、赤松部隊への投降勧告の使者として派遣され、赤松大尉に斬り殺された。
 二、集団自決の時、負傷して米軍に収容され、死を免れた小峰武則、金城幸二郎の十六歳になる二人の少年は、避難中の住民に下山を勧告に行き、途中で赤松隊に射殺された。
 三、渡嘉敷国民学校訓導・大城徳安はスパイ容疑で斬殺された。
 四、八月十五日、米軍の投降勧告に応じない日本軍を説得するために、新垣重吉、古波蔵利雄、与那嶺徳、大城牛の四人は、投降勧告に行き、捕えられることを恐れて、勧告文を木の枝に結んで帰ろうとした。しかしそのうち、与那嶺、大城の二人は捕えられて殺された。
 五、座間味盛和をスパイの容疑で、多里少尉が切った。
 六、古波蔵樽は家族全員を失い、悲嘆にくれて山中をさまよっているところを、スパイの恐れがあると言って、高橋軍長の軍刀で切られた。
(曾野綾子沖縄戦 渡嘉敷島 集団自決の真実』より)


(続く)


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