十条駅前の喫茶店で柄谷行人の『哲学の起源』を読む。

アテネのデモクラシーは、アテネ中心主義的に形成されたデモクラシーの神話であるという柄谷行人が注目するのは、アテネに先立つ古代イオニアの歴史と文明と、そしてイオニアで試みられたイソノミア(無支配)である。つまり、アテネのデモクラシーは、挫折したイオニアのイソノミアの再建の企てであった。したがって、アテネのデモクラシーは、イオニアのイソノミアから読み直す必要がある。これが、柄谷行人のモチーフである。アテネのデモクラシーをアテネに始まったという見方は、まさにアテネ中心主義に他なならない。
現代の議会制民主主義の問題点を、アテネの直接民主主義を問い直すことで乗り越えることはできない。アテネのデモクラシーにも、すべてそれらは出ている。デモクラシーの問題点を乗り越えるには、アテネのデモクラシーではなく、イオニアのイソノミヤまで遡らなぇればならない。(続く)

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