文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

大久保利通もまた半年後には斬殺された。江藤新平を斬首、晒し首に追い込み、西郷隆盛を自決に追い込んだ「勝利者 ・大久保利通」もまた、翌年には、斬殺されたのである。僕はこの事実を知った時、かなりの衝撃を受けた。

大久保利通は、西郷隆盛の死後、少なくとも四、五年は生きていて、新政府で実権を揮ったと思っていたからである。では、生き延びて生き恥をさらした山縣有朋伊藤博文・・・が最後の勝利者だったのか。そんなはずはない。生き恥をさらしただけである。つまり、誰もが死ぬのである。歴史に勝利者などというものはいない。江藤淳の『南洲残影』を読むと、そこには、西郷隆盛を神のように崇め、自己の決断で、西郷隆盛のそばで死にたいと、行動をともにした多くの有能な青年たちの死が描かれている。村田新八、増田宗太郎、桐野利明・・・。僕は、青年たちを喜んで死に赴かせた、江藤淳言うところの「西郷隆盛という思想」こそが、問題だと思う。「西郷隆盛という思想」がわからなければ、歴史の真実も人間の真実もわからない。もちろん、西南戦争に結集した西郷隆盛とその仲間たちを、時代遅れの愚者集団とし考えることの出来ない司馬遼太郎には何も分かっていない。そもそも西郷隆盛は、僧・月照と心中事件を生き延び、徳之島、沖永良部島への流刑を生き延び、そして江戸幕府を倒し、明治新政府の実権を一手に握った、いわゆる「生き延びた革命家」であり、「生き延びた政治家」「成功した永久革命家」である。司馬遼太郎の「通俗歴史読み物」しか読まない最近の政治家たちが、「西郷隆盛になってはならない」とか、「奴は西郷隆盛だ」などと言うのは、根本的に間違っている。そもそも、お前たちは西郷隆盛になってもいない。最近の政治家も政治家を応援・支持する一般市民連中も、勉強がたりない。馬鹿ばかり。巫山戯ている。ちなみに、江藤淳は本名は「江頭淳夫」である。江藤淳の「江藤」は、佐賀の乱を起こし、大久保利通によって斬首、晒し首にされた郷土の先輩・江藤新平から拝借したものである。江藤淳(江頭淳夫)の一族は佐賀出身であり、「皇太子妃・雅子」も江頭家の出である。
(続く)

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