文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

保守論壇は左翼思想家・柄谷行人に学ぶべし。

柄谷行人が、江藤淳小林秀雄福田恒存の「保守思想」を受け継いでいることは確実だと僕は思っている。むろん、最近の保守論壇の面々に柄谷行人を読むような人はいないだろう。ということは、最近の保守論壇の面々は、江藤淳小林秀雄福田恒存をも読んでいないということだ。もし読んでいるならば、誰がいったい、江藤淳小林秀雄福田恒存をもっともよく理解しているかが分かるはずである。それが分からないのは、読んでいないからである。というようなことを、「月刊日本」10月号に「柄谷行人論序説」というタイトルで書いたので、是非、ご一読いただきたい。さて、江藤淳にしろ小林秀雄にしろ、また福田恒存にしろ、左翼にも多くの読者を持っている。僕は、学生時代から、江藤淳小林秀雄福田恒存三島由紀夫・・・というような保守系の文学者たちを愛読、熟読しながら、自分なりの思想を構築してきた。その過程で、同時に大江健三郎吉本隆明柄谷行人・・・をもかなり真剣に読んだ。そして、小林秀雄の思想的真髄をもっとも深く理解し、内在化、肉体化しているのは大江健三郎吉本隆明柄谷行人等の方であると確信するに至った。大江健三郎吉本隆明柄谷行人を、「左翼的」というだけで毛嫌いし、そのテキストを読みもしない現在の保守論壇の面々の思想的、あるいは文学的レベルが堕落、劣化していることは言うまでもない。彼らの「保守思想」は、小林秀雄等が先導してきた「保守思想」とは全く異なり、小林秀雄等が唾棄した「イデオロギーとしての保守思想」であり、「保守思想」に値しない軽薄な「疑似保守思想」に過ぎない。たとえば、今度の自民党総裁選投票日を目前にして、あやしいメールが送られてきたが、それを読むと、「候補者の某氏は『保守』を偽装した左翼である、こういう『反日的』な政治家を自民党総裁に選んでいけない・・・」などと書いている。これが、現在の保守論壇や保守思想家たちの「思想的現実」である。驚き、呆れれるほかはない。保守論壇も保守思想も、落ちるところまで落ちたと言うほかはない。ここに、自民党の迷走の根本原因もあるというほかはない。自民党は、かつては、こういう知性も教養もない、軽薄な保守思想家たちのみによって支持された政党ではなかった。いずれにしろ、そういうレベルの保守論壇の面々に、小林秀雄福田恒存・・・を勧めても無駄というものだろう。ましてや、柄谷行人吉本隆明大江健三郎を読んでみるように勧めても、勧めたこちらが、「左翼、反日売国奴・・・」のレッテルを貼られるだけだろう。(続く)


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