文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

江藤淳と勝海舟ー政治的人間について。

政治評論家としての江藤淳の政治的言説の本質は、晩年の西郷隆盛論よりは、むしろ中期の勝海舟論にある。そこで江藤淳は、いわゆる「治者の政治学」論を展開している。たとえば、江藤淳は、三島由紀夫事件に際して、三島由紀夫事件の本質を、精神の衰弱がもたらした「ごっこ」の延長にあるものと看做し、小林秀雄をして、「君は、三島事件を病気だ、と言うのか?」と激怒させている。その後の保守論壇は、江藤淳的なリアリズムを排除し、三島由紀夫的・小林秀雄的な、一種の思想的理想主義の方向に、実態は似て非なるものだが、突き進んできたと言っていい。その結果、保守論壇は、一時的とは言いながら、理想主義大好きの大衆や文化人の人気を獲得し、マスコミや論壇では隆盛を極めたが、しかし、それも一時的なものであり、自民党から民主党への「政権交代」が象徴するように、自壊するのも早かった。言うまでもなく、江藤淳的、あるいは自民党的なリアリズムの精神を忘却した結果であったことは言うまでもない。では、江藤淳的、自民党的リアリズムとは何だろうか。僕の考えでは、それこそが、勝海舟論で展開したところの江藤淳的リアリズムとしての「治者の政治学」であった。

(続く)

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