文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

アカシアの並木道を歩きながら・・・。

我が家の近くに並木道がある。長いこと何の木か知らないままだったが、二、三年前、木にぶら下がっている小さな札を見て、その木が「ニセアカシア」ということを知った。ああ、この木が「アカシア」なのかと思うと、その途端に、この並木道が急に身近なものに感じられるようになった。この並木道に面して、二、三日前に紹介した「綺麗好きで、寡黙なマスターのいる小さな喫茶店」はある。僕のお気に入りのスポットだが、残念なことに、青々と繁ったニセアカシアの枝は、紅葉し、落葉する前に、早々と切り落とされて丸裸になる。何故、落葉を待たずに枝葉を切り落とすのか、僕には不思議だったのだが、どうやら、落葉が歩道に積み重なり、雨の日など、それで足を滑らせる人がいるかららしい。しかし、今はまだ、枝葉は切り落とされることもなく、青々と繁っている。この並木道は、途中から、マロニエ(栃の木)の並木、銀杏の並木とかに変わるけれども、駅まで続いている。幹線道路ではないので、車道も歩道もそれなりに広いのだが、普段は車も人も少ない。ところで、ニセアカシアは厳密に言うとアカシアではないないらしい。しかし明治期に日本に輸入された当初は、このニセアカシアをアカシアと呼んでいたという。本来のアカシア(ネムノキ科アカシア属)が日本に輸入されるようになり区別するためにニセアカシアと呼ぶようになったそうだが、今でも混同されることが多いらしい。たとえば、札幌のアカシア並木も、また、西田佐知子のヒット曲「アカシアの雨がやむとき」、石原裕次郎のヒット曲「赤いハンカチ」のアカシア、そして古くは、北原白秋の「この道」の「アカシアの白い花」や、あるいは清岡卓行の小説「アカシアの大連」でおなじみの中国の大連市のアカシアも、このニセアカシアである。大連市では、このニセアカシアが「市の花」となっている。新しいところでは、松任谷由実の「acacia (アケイシャ)」が、このニセアカシアを歌ったものらしい。アカシアという言葉の響きは、何か、異国情緒的なロマンチシズムを感じさせる。今にも、このアカシアの並木道から物語が始まりそうなのだ。しかし、このニセアカシアは、大きくなりすぎるために、街路樹としては、最近、敬遠されているということだ。大連にも、「アカシアの大連」とは言うものの、アカシアの並木道は、少ししか残っていないらしい。



(続く)
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