文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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松本健一の正体ー評論家の松本健一が解任、更迭されるらしいが、はたして???

松本健一菅内閣の内閣参与だったとは、まったく知らなかった。左翼なのか右翼なのか、それとも保守なのか、正体の怪しい男だとはわかっていたが、菅内閣の内閣参与に就任していたとは、いかにも松本健一らしい生き方であると思う。 実は僕は、松本健一に関しては、かなり以前、僕が、文藝評論家の井口時男川村湊を相手に、「三田文学」で行った鼎談「批評について」での発言をめぐって、ちよっとしたトラブルを経験しているので、あまりいい印象はもっていない。というより、一貫して批判的だったと言ったほうがいい。松本健一は、東大経済学部を卒業した後、小田切秀雄という左翼、プロレタリア文学研究者が一派を形成していたの法政大学大学院に進み、若くして「北一輝論」を書き、左翼ジャーナリズムにデビューしている。当時、「現代の眼」という左翼系の総会屋雑誌があったが、松本健一はそこの常連執筆者だった。当時は明らかに左翼全盛時代だったから、左翼論客としての松本健一はかなり目立つ存在だった。文藝雑誌にもしばしば書いていた。一時は、小説のようなものも書いていたのではなかったか。言うまでもなく、僕は松本健一の、かなりいい加減な資質と甘ったれた文体から、その正体を見破っていたから、松本健一の書くもにはほとんど関心がなかった。松本健一北一輝から三島由紀夫江藤淳司馬遼太郎まで、商売になりそうなものは片っ端から書いている。そこには思想的一貫性は、あるように見えてまったくない。僕は、前記の鼎談で、「川本三郎松本健一なんて、文壇やジャーナリズムでは持て囃されているが、思想家でも文学者でもなく、所詮はコラムニスト、エッセイストでしかない…」と、思想性の欠如を暗示するかのように切り捨てたのだが、それに対して、松本健一は、「三田文学」編集室あてに、はがきで、「自分はコラムニストでもエッセイストでもない」と、かなり厳しく抗議してきた。自分では、思想家か文学者のつもりだったのだろう。しかし、連合赤軍事件や三島由紀夫事件等を経て、いつのまにか、時代は変わり、つまり左翼が衰退して左翼全盛の時代が去り、逆にそれまで冷遇されてきた保守や右翼系の思想家たちが論壇やジャーナリズムを席巻しはじめる時代になると、松本健一は、変わり身早く、今度は右翼、保守系の論客として保守系の雑誌を舞台に活躍するようになる。僕は、松本健一のような、常に日の当たる場所にいるという時局便乗主義的な、無節操な生き方が必ずしも悪いとは思はないが、しかし松本健一のような無節操な生き方をする思想家や評論家を評価することは出来なかった。松本健一は、自決したり自死したりしてマスコミの話題になった三島由紀夫江藤淳の死に際しては、彼らと思想的立場を共有するかのように,つまり三島や江藤の思想的仲間だったかの様に、かなり親しげな追悼文や追悼的評論、あるいは作家論を書いているはずである。むろん、右にも左にも顔が広いのは必ずしも悪いことではない。思想や思想家を論じるのに、左か右か的次元を超えて、深い存在論的次元を問うという思想的態度も悪いことではない。しかし、松本健一の生き方からは、僕は、権力者や流行に弱い思想的な「いかがわしさ」しか感じることはできなかった。だから、いつのまにか、政権交代後の混乱に乗じて誕生することになった左翼政権の内部に潜り込んでいたとしても少しも不思議ではないと思う。今回、松本健一は、菅直人が、原発事故周辺は「20年は住めない」と発言したとリークしているわけだが、このリーク事件は、実は、菅直人一派と仙谷由人官房副長官一派との主導権争いが絡んだ「内ゲバ」だったらしい。松本健一は、仙谷由人と東大同期と言うことで、仙谷由人の引立てで、内閣参与に就任したということだ。相変わらず、正体不明の怪しい奴である。しかしもう終わりだろう、この人は。

松本参与解任を示唆 枝野長官
産経新聞4月15日 22時40分配信



 枝野幸男官房長官は15日の記者会見で、菅直人首相が東京電力福島第1原発の避難・屋内退避区域について「10年、20年住めない」などと発言したと紹介し、直後に撤回した松本健一内閣官房参与について「適切な対応をすべく、検討したい」と述べ、解任する考えを示唆した。

 これに先立ち、JA福島幹部に同行して首相官邸で首相と会談した民主党渡部恒三最高顧問は、記者団に「そんな側近はクビにすればいい。福島県民は本当に怒っている。おれも全くうそっぱちだと怒っている」と首相に進言したことを明らかにした。

 枝野氏は記者会見で「(渡部氏の)そうした重い指摘は承知している」とも述べた。

 松本氏は仙谷由人官房副長官と東大同期の評論家で、仙谷氏のブレーンとして昨年10月に参与に起用された。

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