文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

人を殺す思想こそが本物の思想である。エジプト、ムバラク大統領辞任。ムバラクの資産凍結、そして裁判被告人か?

エジプトの市民革命がついに大統領追放に成功した。すでに市民側に300人の死者が出ていると言うが、これから死者はさらに増えるだろう。「アルハラーム」紙によると、ムバラクは退陣したが、「軍最高評議会に国事の運営を任せると決定した」そうだから、このままで終わるわけはない。市民の怒りの矛先は、やがて「軍」や「警察」、その他の政府機関、あるいはムバラク大統領寄りの報道を続けてきたテレビ局、マスコミなどにも向かうだろうから、事態が沈静化し、市民生活が元に戻るにはまだまだ長い時間が必要だろう。「人を殺す思想こそが本物の思想である」と、佐藤優が『国家論』で書いているが、「民主化」や「民族主義」、あるいは「宗教」は、綺麗事では済まない。すでに多くの死者が出ていることから明らかなように、いずれ「人を殺す思想」に転化・深化していかざるをえない。ムバラクは、エジプトに残り、そこで生涯を終えたいと言っているらしいが、そんな呑気な事が許されるとは思えない。国外亡命か、あるいは民衆の面前での公開処刑か、あるいはそれ以外の方法かわからないが、いずれにしろ、われわれの日常感覚からは想像を絶するような事態が、ムバラク前大統領の身の上に降りかかるだろう。「人を殺す思想こそが本物の思想である」。したがって、連合赤軍事件の主役、永田洋子が、先日、獄中で(病院)死んだらしいが、僕は、永田洋子と言う存在を単純に批判・罵倒する気になれない、というよりもむしろ心の奥で畏怖している。少なくとも思想と言う次元においては、永田洋子は本物だった。「否定家や賢人どもよ、貴様らは、何故、途中で立ちどまってしまうのか、何故、果てまで行こうとしないのか……」(ドストエフスキー罪と罰』)というわけである。


ムバーラク大統領、辞任2011年02月12日付 Al-Ahram紙

■ムバーラク大統領が辞任

2011年02月11日付『アル=アハラーム』

【中東通信(MENA)】

ウマル・スライマーン副大統領は、ムハンマド・ホスニー・ムバーラク大統領が辞任したと発表した。スライマーン副大統領自身が大統領宮から放映した声明で明らかにされた。

副大統領が読み上げた声明は以下の通り。

「慈悲深く慈愛あまねき神の御名において。国民の皆さん、我が国が置かれている目下の苦境にあって、ムハンマド・ホスニー・ムバーラク大統領は共和国大統領の職を辞し、軍最高評議会に国事の運営を任せると決定した。神のご加護を」。


人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ