文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

上杉隆こそ「筆を折る」べきじゃないのか? 「上杉隆」と「週刊朝日編集長」が、ガセネタ記事発覚で謝罪文を掲載しているが・・・。

週刊朝日」の巻末の編集後記の隣に、小さな「おわびと訂正」という囲み記事が掲載されているが、つまり、注意深く見ていかないと、うっかり見過ごしてしまいそうな小さな記事なのだが、しかしそれは、よく読んでみると、記事は小さいが、内容的にはかなり深刻な問題点を含む文章である。この「謝罪文」の筆者は、「株式会社朝日新聞出版」と「週刊朝日編集長・山口一臣」、そして「ジャーナリスト上杉隆」とあることからも推察できるように、上杉隆が筆禍事件か舌禍事件を引き起こし、それで全面降伏し、「おわびと訂正」ということになったのもらしい。上杉隆と言えば、「週刊ポスト」で、ネットで話題沸騰の「官房機密費」問題を、つまりネットでは使い古された問題を、今頃、「週刊誌」で大胆に追及して、「官房機密費」をもらった政治評論家は「筆を折れ」と勇ましく警告しているわけだが、この「週刊朝日」の謝罪広告を読んでみると、「筆を折る」べきなのは、「官房機密費をもらった政治評論家」よりも先に、上杉隆自身ではないのか、と言わざるをえない。なんともしまらない話である。つまり、上杉隆の取材データを基にした「『赤いファイル』(公文書)廃棄疑惑・・・外務省の゛暴挙゛を認めたのは福田元首相だった。」という記事に、福田事務所が抗議。すると謝罪文で・・・。

4月16日号の「『赤いファイル』(公文書)廃棄疑惑・・・外務省の゛暴挙゛を認めたのは福田元首相だった(?!)」で、ジャーナリスト上杉隆のコメントをもとに「当時、官房長官だった福田康夫・元首相が外務省幹部からの報告を了承したという。つまり、文書廃棄の『共犯』ということになる」との記事を掲載しましたが、福田元首相の事務所から「『公文書廃棄疑惑』についてはまったく知りません」「文書廃棄について了承を与えた事実はない」と抗議を受けました。文書廃棄について福田元首相が了承したというのは本誌及び筆者の誤りでした。また、上杉の発言に事実に反する点がありました。本誌が確認を怠り虚偽の記載となり、福田元首相はじめご家族にご迷惑をおかけしましたことをお詫びします。・・・
(「週刊朝日」5/26号)

 これは、上杉隆と「週刊朝日」が、福田元首相側の抗議に全面降伏したものだ。上杉隆は、これがガセネタと知っていて「週刊朝日」に売り込んだのだろうか、それとも上杉隆もまた情報提供者に騙されていたというこなのか。上杉隆が永田町あたりで仕込んだ情報なるものが、「情報提供者に騙されていた」のだとすれば、上杉隆の仕込んだ政界情報なるものの多くは、実に怪しく危険なものだということだろう。ところで、上杉隆は、「官房機密費」問題では、疑惑の対象を、もっぱら「政治記者」や「新聞記者上がりの政治評論家」に限定しようとしているように見えるが、そして一方で、「週刊誌」を善玉にしようとしているように見えるが、新聞にしろ週刊誌にしろ、所詮は「同じ穴の狢」だろう。さて、上杉隆が「官房機密費」追求の切り札として振り回す「実名リスト」と称する文書だが、なんと「89年」頃かその前後のものらしい。ということは、上杉隆が追求しようとしているのは、小泉内閣以前の「官房機密費」疑惑だということだ。すでに明らかなように、野中広務の「官房機密費」爆弾証言が重要で衝撃的だったのは、テレビやスポーツ新聞、週刊誌など、いわゆる「B級メディア」への情報操作に精力を集中した小泉内閣時代の「官房機密費」問題を、間接的とは言いながら、炙り出したことだ。ところが、上杉隆が、独自に入手したとかいう「実名リスト」にこだわり続けるということは、「官房機密費」問題を「90年前後」の問題に限定することによって、小泉政権時代のメディア工作の実態を、具体的に言えば、莫大な「官房機密費」を使ったはずの飯島勲竹中平蔵関連の情報工作の実態を隠蔽・抑圧する役割を担っているということができよう。上杉隆は、何故、たけし、爆笑問題テリー伊藤、そして飯島勲等に、突撃取材しないのか。たけしは「週刊ポスト」に連載を持っているからか。うがった見方をするならば、上杉隆が、「検察の暴走」批判を華々しく書きながら、同じ週刊誌に、すかさず「小沢一郎批判」や「鳩山退陣論」を書くのは、自分の頭で考えたものではなく、誰かに、つまり編集部やディレクターに書かされたり、喋らされたりしたものだろう。上杉隆クラスの三流ライターが、金蔓である週刊誌の編集部の思想や方針に反するようなことが、自由に書けるはずがないだろう。テレビや週刊誌を梯子するような尻軽な政治ジャーナリストたちこそ、いちばんカネに弱いわけで、本人も気が付かないうちに、「官房機密費」を使ったメディア工作の格好の餌食となっていることだろう。



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