文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「事業仕分け」は「小泉改革」の「二の舞」になるだろう?

マスコミが演出する「支持率低下」に苦悩する鳩山民主党政権の取って置きの秘策が、昨年、民主党議員・枝野某やレンホウ某らの独善的な言動によって物議を醸した「事業仕分け」第二弾だそうだが、鳩山首相やマスコミ、あるいは一部の国民の期待にも関わらず、それで支持率は少しは回復するだろうが、しかしそれは決して、民主党政権の危機を救うことはないだろうし、ましてや日本の財政危機を救うことはないだろう、と僕は思う。むしろ、「事業仕分け」は、「小泉構造改革」の二の舞になるだろう。確かに、今回の仕分けの対象となる政府系外郭団体の多くは、無駄なものが多く、官僚の天下りや余分な税金投入の巣窟となっているだろうから、「事業仕分け」による点検と整理が必要だろうが、しかし、その「事業仕分け」という思想は、国民向けの目先の人気取り政策としてはそれなりに有効だろうが、いいことばかりではなく、一時、爆発的な国民的人気を集めた「小泉構造改革」がそうであったように、きわめて危険な要素を内包していることを忘れてはならない。つまり「無駄を省く…」という言葉の響きは、庶民レベルでは一般受けするだろうが、しかしそれが国家レベルの話になると、事情は微妙になってくる。小泉改革の時、小泉構造改革を批判する一部の経学者たちが、盛んに「ケインズ経済学」の「乗数効果理論」や「需要喚起理論」を唱えたたものだったが、そしてその批判は、今では有効だったことが、多くの民主党議員を含めて、なかば日本国民の常識となっているはずだが、そしてその国民的常識が「自民党離れ」と「政権交代」をもたらしたはずだったはずが、しかし鳩山首相を初め、「事業仕分け」という効率尊重の思想に、民主党政権の人気回復と再生を託すということは、鳩山民主党が、小泉構造改革の批判的克服どころか、小泉構造改革と同様な「無駄を省く…」思想に、完全に洗脳されていることを意味する。
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