文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

日本国民は麻生太郎や安倍晋三ほど「愚か」ではなかったということだろう。


谷崎潤一郎に『刺青』というデビュー短編小説があるが、それはこういう文章で始まっている、「それはまだ人々が『愚かさ』という尊い徳を持っていて、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であつた。」と。今度の衆議院選挙の選挙結果について、民主党が、300議席から320議席を超える勢いと、新聞・テレビなどによって、俄には信じられないような分析予想がなされているようだが、結果はいずれちかいうちに判明するわけだから、選挙の開票結果はともかくとして、これで、自民党の壊滅的な敗北だけは確実になったということが出来るわけで、長年、自民党を支持してきた身としては、この事態の到来の受け止め方はかなり複雑である。確かに僕は、「小泉・竹中構造改革」以来、一貫して自民党を批判し続けてきたが、小泉・郵政選挙において気骨ある志操豊かな政治家を、たとえば亀井静香平沼赳夫城内実…のような次代の自民党を背負っていくはずの政治家を次々に除名、離党させ、その代わりは、政治も政策も知らない怪しい多数の「バブル議員」で補填したわけで、いずれ空洞化し、堕落、劣化した自民党がその正体を曝け出すことは分かっていたが、それにしても、あの自民党が、わずか一回の選挙で、100議席前後の少数野党に転落するとは予想もしていなかった。日本国民の多くが、マニフェストの問題でも選挙手法の問題でもなく、近頃の自民党の横暴と独善を、そして思想的堕落と退廃を激しく憎悪し、嫌悪していることがわかる。麻生首相安倍晋三にはそれがわかっていない。未だに、麻生首相を筆頭に自民党関係者たちは、低次元で、幼稚、悪質な「民主党批判」を繰り返しているが、それによって、ますます大多数の国民が、自民党から離れていくことが、分かっていない。日本国民は、麻生首相安倍晋三が考えているほど、本質的に愚かではない。言い換えれば、日本国民の大多数は、人間の「愚かさ」というものの美徳を、少しは知っているということである。「頭がいい」と勘違いしている愚か者ほど始末の悪いものはない。ところで、この逆風を押しのけて、生き残る自民党議員は、どういうメンバーになるのだろうかということが、大いに興味のあるところだが、もし、もし生き残ってくるのが、安倍晋三麻生太郎、石原某、小泉某…等だけであるとすれば、そもそも自民党の再生そのものが絶望的というか、不可能ということになるだろう。




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