「週刊新潮」の「植草元教授罵倒記事」を読む。

「週刊新潮」が、朝日新聞阪神支局襲撃事件の実行犯と称する男の「告白手記」なるものを、大々的にキャンペーンを張りつつ公開したことは記憶に新しいが、それが実はガセネタだったことが明らかになり、週刊誌としては異例とも思われるが、編集長早川清氏の名前で、ガセネタを掴まされた経緯を詳細に検証し、関係者に謝罪しているというので、最新号の「週刊新潮」４月２３日号を買ってみたが、朝日新聞阪神支局襲撃事件の実行犯の件はともかくとして、同じ号に、元財務省官僚で、「郵政民営化」の実行部隊であり、最近は退官し「霞ヶ関埋蔵金」や「政府紙幣発行論」等で、マスコミの寵児になりつつあった高橋洋一氏が、先日、豊島園の温泉施設で窃盗の現行犯容疑で連行され、逮捕ではなく「書類送検」されたという事件の関連報道で、植草一秀元早大教授への罵倒記事、「高橋洋一教授の『窃盗報道が少ない』と怒る『植草元教授』」というものがあったので、早速読んでみたのだが、これがまたとんでもないガセネタ満載というか、デッチアゲの捏造記事であって、かつて「植草教授痴漢疑惑逮捕事件」を、国策捜査か、権力の陰謀ではないかと言う見地から追跡・追及したことのある小生としては、見過ごすことの出来ない記事であった。「植草一秀ブログ」http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-41d1.htmlによると、この記事の筆者は「軽部元」という「週刊新潮」編集部に所属する人物らしく、植草氏への直接取材を断られたので仕方なくやったのかもしれないが、数日間、植草氏宅の周辺に張り込み取材をしたうえで書いた記事らしいが、まことに見当違いも甚だしいデッチアゲ捏造記事である。こういう週刊誌のライターこそ、ジャーナリストの風上にも置けない、怪しい「権力のイヌ」だということが、よくわかる記事だ。最近は、「ブロガー」としても活躍している植草氏だが、その植草氏の近況を伝える記事で、ブログやブロガーを「小馬鹿」にしたような文章があるが、これは、「活字メディア」を死守したい週刊誌ライターの強がりと言うか、負け犬の遠吠えと言うか、昨今のメディア情勢論に関して無知・無教養と言うか、要するに新聞、雑誌、週刊誌、それにテレビというような伝統的な、古典的な情報・報道メディアが直面しているメディアの「生存危機」なるものが、実はネットを武器に確立されつつある「ネット論壇」とも言うべきブログやブロガーの発言力とその存在価値が高まりつつあることと無縁でないということを、知らないようだ。そもそも、銭湯における窃盗疑惑で、社会的に抹殺されようとしている高橋洋一氏の「窃盗事件」の真相と背景こそ、ジャーナリストが、今、追及すべきことではないのか。高橋氏は、単なる窃盗犯なのか、それとも窃盗常習犯なのか。何故、今、高橋洋一という今後の政府の経済政策にそれなりの影響力を持つかもしれないような、話題の人物が、この時期に、このタイミングで逮捕されたり、書類送検されたりしなければならないのか。裏で、政治的意思を持つ組織か、何かが動いたのではないか、と考えるのがジャーナリストではないのか。いずれにしろ、高橋氏が消えると同時に、あれほどマスコミや政界で沸き起こりつつあった「政府紙幣発行」論議も、完全に消滅したと言っていいわけだが、これもまた、考えてみるまでもなく、まことに不思議なことである。「週刊新潮」が、今、取り組むべき課題とテーマは、「高橋元財務官僚窃盗事件の真相」、ないしは「高橋元財務官僚窃盗事件に隠された政治的陰謀?」とでも言うべきものではないのか。肝心な問題から目をそらし、本来的な政治的問題を隠蔽するかのように、「高橋洋一窃盗事件」を、「植草元教授痴漢疑惑事件」との類似性や比較に論点を摩り替えようとして、お笑いですませようとしているが、はたしてそれでいいのか。新潮記事は、次のようのいい加減な皮肉交じりの駄文で終わっているが、これでは、「週刊新潮」も、先が思いやられるというものだろう。「元センセイの裁判を傍聴し、ご本人に直接取材したこともあるルポライターの横田由美子氏が言う『彼の拠り所はもはや「冤罪」と言い続けることしかないんです。もてはやされた分、過去の栄光が捨てられないのでしょう。活躍している評論家に嫉妬の気持ちを持っているのは間違いないと思います』一度、ご自分の姿を手鏡に映してみてはいかがか。」いやはや、この記事の筆者は、「植草事件」の政治的背景も真相も、まったくご存知ないらしい。それに、この「週刊新潮」の「植草元教授罵倒」記事にいい加減なコメントを寄せているルポライター横田由美子なる人物とは何者なのか。

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