文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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「四分社化」は「かんぽの宿」の「赤字・不良債権」偽装工作が目的だった???


麻生太郎首相が、日本国民の多くは「郵政民営化」は分かっていたかもしれないが、郵便事業を「郵便、郵貯、保険、窓口サービス」へ分割する「四分社化」については、その意味をほとんど理解しておらず、その目的も知らなかったのではないか、と発言して大方の顰蹙を買ったようだけれども、僕は麻生首相の発言は、必ずしも間違っていたわけではない、と思っている。「郵政民営化」と「四分社化」を推進した中平蔵氏らは、「四分社化」工作の真の目的を国民に隠蔽したまま、奇麗事を並べてきたわけだが、ここへ来て、その真の目的なるものが、つまり「郵政利権の私物化」こそが真の目的だったのではないかということが、「かんぽの宿」疑惑追及を切っ掛けに露呈し始めると、大慌てで、「かんぽの宿」は「赤字・不良債権」だった、だから低価格での一括譲渡は仕方がない、と言いはじめているが、しかし実は、「かんぽの宿」は「赤字」でも「不良債権」でもなく、むしろ、「かんぽの宿」を、「赤字・不良債権」化しなければならないという竹中平蔵氏らの偽装工作こそが、問題だったのである。「四分社化」することによって、つまり「かんぽの宿」を「簡保」という保険制度から切り離して「かんぽの宿」を単なるホテル事業として独立させ、そしてその経理内容を単独で計算すると、ホテル事業としての「かんぽの宿」は「赤字・不良債権」であるという偽装工作である。「かんぽの宿」を、「赤字・不良債権」化するためには、「かんぽの宿」と「簡保」を分離する必要があったのである。昨日の国会で、川内博史民主党代議士が指摘したように、そもそも「かんぽの宿」はホテル事業ではない。「かんぽの宿」は、簡保加入者のための保養施設、福利厚生施設である。要するに、「かんぽの宿」は、「簡保」、つまり「かんぽ生命」とは切っても切れない関係にあり、したがって「簡保」加入者にとってはホテルでも旅館でもなく、これは、言い換えれば、「『かんぽの宿』は簡易保険加入者から集めた資金で国が建設した公的宿泊施設であり、利益を生み出す為の施設ではありません」(亀井亜紀子国民新党参議院議員)ということになる。そこで、郵政事業を、「郵便、郵貯、保険、窓口サービス」へ「四分社化」することによって、つまり、「かんぽの宿」を「かんぽ生命」から切り離し、親会社の日本郵政の資産とすることによって、要するに、「かんぽの宿」を単なるホテル事業とすることによってはじめて、帳簿上、「赤字・不良債権」化するという偽装工作が可能になったのであり、その偽装工作を必要とする政治勢力があったということであろう。竹中平蔵氏をリーダーとする、高橋洋一氏、岸博幸氏…等、いわゆる「郵政民営化」を立案し、理論化した実行部隊であった竹中グループが、郵政事業の「四分社化」にこだわった理由も、おそらくそこにあると思われる。したがって今、小泉純一郎氏を親玉とする竹中平蔵グループの面々が、恥も外聞もかなぐり捨て、必死になって「かんぽの宿」疑惑の火消しに走り回るのも頷けるというものだ。(続)



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