文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

わが友・稲村公望と「かんぽの宿」スキャンダル


僕とは同郷(鹿児島)出身で、同級生の稲村公望氏(いなむら・こうぼう)は、「元郵政官僚」だが、今週発売の「サンデー毎日」に写真入で登場し、「かんぽの宿」スキャンダルに関して取材を受けて、「元大物郵政官僚が実名告発」というサブタイトルの下に、「『かんぽの宿』入札疑惑は、平成の『官有物払い下げ事件』です」と批判し、「郵政民営化」一派へ宣戦布告している。彼は、鹿児島県徳之島生まれだが、鹿児島ラサール高校を経て東大法学部を卒業、卒業後は郵政省に入り、国際畑を中心に郵政官僚として活躍、「日本郵政公社」発足時には人事・広報担当の「常務理事」に就任したが、いわゆる小泉純一郎元首相の主張する「郵政民営化」論に当初から徹底的に反対し続けために、郵政解散・総選挙直前に退任を余儀なくされたという経歴を持っている。退任時には、毎日新聞(2004/4/1)で、「郵政公社『反民営化』理事が退任 人事で抵抗」と報じられたことからも明らかなように、「小泉・竹中改革」のメイン・テーマであった「郵政民営化」「四分社化」、そして今、単なるスキャンダルとしてではなく、政治的疑惑事件として問題化しつつある「かんぽの宿・入札スキャンダル」を論じる場合の「中心人物」、あるいは「当事者」の一人であることは間違いない。稲村氏は、現在、中央大学大学院公共政策研究科客員教授だが、その一方で、「月刊日本」等で、「郵政民営化」批判だけでなく、「小泉・竹中改革」批判、「新自由主義」批判、「市場原理主義」批判を展開している。ところで、稲村氏が「かんぽの宿・入札スキャンダル」との類似性を指摘する明治時代の「官有物払い下げ事件」とは、どういう事件だったのだろうか。この事件の登場人物も、実は、鹿児島・薩摩藩の人脈に関係している。明治期に起きたこの「北海道開拓使官有物払い下げ事件」の中心人物は開拓使長官(北海道庁)だった黒田清隆(画家・黒田清輝の父)で、彼が、船舶、農園、炭鉱などを、実業家・五代友厚に、「当時の金額で約1400万円を投じた官有物を38万円」という異常な安値で売り払おうとして大騒ぎになり、「明治十四年の政変」をも誘発した政治的大事件だが、この事件の主役である黒田清隆五代友厚、ともに薩摩藩士であった。いずれにしろ、明治の「北海道開拓使官有物払い下げ事件」と平成の「かんぽの宿・入札スキャンダル」は酷似している。払い下げの役所側の中心人物が、明治の事件の場合、黒田清隆であり、平成は西川善文日本郵政社長、竹中平蔵小泉純一郎であるのに対して、「官有物」を異常に安価で落札し、手に入れようとする商人・実業家が五代友厚であり、オリックス宮内義彦と見ていい。ちなみに、この明治の「官有物払い下げ事件」に反対し、ストップをかけたのが大隈重信であるが、大隈重信は、「官有物払い下げ」は中止に追い込んだが、この事件の余波で、当時の政界の主流派であった伊藤博文を中心とする「薩長派」によって追放されている。いわゆる、「明治十四年の政変」である。さしずめ、平成の大隈重信鳩山邦夫ということになろうが、同じような「官有物払い下げ事件」ではあるが、それを取り巻く政界の勢力地図は、明治の「官有物払い下げ事件」と平成「官有物払い下げ事件」とでは、まったく違っている。多分、平成の「官有物払い下げ事件」で、政界から追放されるのは、小泉・竹中一派の方でであることは間違いない。






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