文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「ブログ論壇の誕生」は時代遅れか?


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佐々木俊尚という人の「ブログ論壇の誕生」という新書が文春新書の一冊として刊行されているので、これは面白そうだというわけで手にとって読んでみたが、わかりきったことを、さも自分だけが知っているかのようなスタンスで、素人を相手にちょっと高見から書いているような感じで、予想していたとはいえ、やはりつまらなかった。概して、ネットやブログについて、いかにも専門家気取りで専門的に語る人は、自分だけがこの世界の裏表に精通しているかのように語るので、その独善的な、それこそ世間知らずの「語り口」が鼻につくのであるが、たとえば、よくテレビなどで「ブログの女王」とか、「ネットのプロ」とか称して、高見から解説する人を見かけるが、本書もまた例外ではなかった。僕のようなネットやブログの素人から見ても、その語り口もその内容も、「もう古いよ」と言いたくなるわけで、ネットやブログの現状から推察するに、誰が読んでも古色蒼然としていることは歴然としている。たとえば、佐々木が、有名ブログ、推薦ブログとして巻末に列挙している「ブログ一覧」からして、古いと言わざるを得ない。少なくとも、僕は佐々木が推奨しているブログをほとんど読んでいない。ちなみに僕が、しばしば覗いていおり、しかも現実的にもかなりの社会的・政治的な影響力を持つと思われる「政治系ログ」が、ほとんど無視されているが、これは、佐々木が、政治に興味を持っていないからであろうか。もしそうだとすれば、「ブログ論壇」の誕生を語る資格はない。「ブログ論壇」の中心は、いろいろな意見や解釈もあるだろうが、現実の政治にまで影響力を持ち始めつつある「政治ブログ」だろう。「政治ブログ」を語らずに「ブログ論壇」を語るなかれ……である。(続く)