文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

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★「月刊テーミス」の特集記事「ブログで「専門&極秘情報」を入手する法 」は、「政治・官僚」部門で、次のように、小生のブログ「毒蛇山荘日記」を、「きっこの日記」や「山根治ブログ」「池田信夫ブログ」などとともに、紹介し、解説・分析ている。有難いことである。


政治でいえば、山崎行太郎氏(文芸評論家)の「毒蛇山荘日記」だ。山崎氏は、物事の本質に切り込む鋭い感覚をもっており、このブログを読むと知的啓発を受けられる。
「安倍や安倍応援団、安倍系保守文化人などの対米姿勢には疑問を感じることが少なくない。怖いもの知らずの傲岸不遜な態度での対米交渉は危険である。ライスを中心とした米国政府の北東アジア戦略から、『日本がはずされる』ということの意味は、小さくない。少なくとも、ブッシュ・ライス政権が、日本の『安倍一派』を国際政治的にも軍事戦略の上でも、危険な存在として位置付け、戦略的に見捨てようとしている」(6月30日付)

http://www.e-themis.net/new/feature/read.php

★以下は記事の全文である。

新聞・雑誌より凄い「情報源」一覧
ブログで「専門&極秘情報」を入手する法
ライブドア事件の手口をいち早く暴いたブログなど社会的影響力を持ち始めたが

■ブルドック買収防衛策に苦言
 インターネット上には玉石混淆の情報が氾濫している。その中から、ある程度、信用ができて役に立つ情報にたどり着くのは、普通の人にとっては意外と難しい。
 そうしたなか、数は少ないながらも、個人や専門家が発信するブログ(日記風ホームページ)の中には、他にはない物の見方や情報を手軽に得られる場となっているものがある。既成の大手メディアが報じていない新情報の発信源となり、社会に大きな衝撃を与えたケースも出てきている。専門家の協力を得て、そうした「役に立つブログ」を集めてみた。
 ライブドア事件でメディアがこぞってウオッチしていたのが、株式会社M&Aバンク主任コンサルタントの山根治氏が書く「山根治blog」だ。公認会計士である山根氏は、「ホリエモン錬金術」というエントリー(ブログ内の記事)で、専門家の立場からライブドアの経営状態を分析し、事件発覚の1年前からホリエモンこと堀江貴文氏の手口を暴いていた。
 山根氏本人が語る。
「堀江氏が旧近鉄バファローズの買収に名乗りをあげたときに、興味を抱きライブドアの決算書を見てみました。法外な株式分割、公募増資とセットでなされた決算数字の『お化粧』など、怪しげな部分が随所に見受けられ、あきれて途中で止めてしまいました。そのライブドアが、その後フジサンケイグループという巨大なメディアを支配下に置こうとしたことで、これはいったいどういうことかと、改めて有価証券報告書の分析を始めたのです。その結果、ホリエモンがやってきた数々の奇策は、彼の発案によるものではなく、ほとんどすべてが米国で過去に実際に行われ、社会に多大な損害を与えて破綻していったものとわかりました」
 ブロガー(ブログの書き手)にはプログラマーなど技術系の人が多いが、弁護士や公認会計士などもまた数多い。
 山根氏以外の公認会計士で有名なブロガーといえば、「isologue」の磯崎哲也氏だ。
 ブルドックソーススティールパートナーズに対する買収防衛策として、新株予約券を発行したことに関し、磯崎氏は「買収防衛策とはいっても『麻酔銃』みたいなもんで、襲い掛かってくる買収者を『殺す』殺傷能力があるものではない。おまけに、この麻酔銃は『火縄銃』です。つまり、弾込めは1発づつで、二の矢がすぐには継げない」(7月11日付)と、買収防衛策の本質とは何かを考えるべきと諭す。


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■「朝日批判」が新聞のネタ元に
 経済学者の池田信夫氏のブログ「池田信夫blog」は、1日のアクセス数が最大3万6千、1万5千人のユーザー数を誇る人気ブログだ。内容は経済関係だけでなく、社会時評から書評までバラエティーに富んでいる。ブログの内容をまとめた著書『ウェブは資本主義を超える』も発売されたほどだ。
 池田氏はこう話す。
「米国にはブログの記事を書くために専門スタッフを雇い、新聞社顔負けの取材体制でエントリーを書くブロガーもいる。エントリーがメディアに次々と転載されていくことも、日常茶飯事だ。日本でもブログが一次情報を発信するようにならないと、本当の意味で社会的認知はされていかないだろう」
 ただ、日本でもブログの内容が、ニュースソースとして転載されるケースも出始めてはいる。池田氏のブログもその一つだ。
「エイプリルフール(4月1日)に、『慰安婦問題をめぐる本社の報道について』というエントリーで、『朝日新聞が秋山耿太郎社長名で、強制連行は事実ではなく、事実誤認によるものだと社告を出した』『秋山社長は責任を取って辞任し、報道機関に事実関係の再検証を促した』などと、ウソと事実をない交ぜにし、朝日新聞従軍慰安婦についての報道姿勢を批判した。
 予想以上の反響で、蜷川真夫アエラ編集長が代表者を務めるネットメディアのJ―CASTニュースから産経新聞まで、さまざまなメディアが取り上げた。後に朝日新聞の記者に聞いたら、『さすがに社内で問題になった。編集局長も見ていたが、4月バカに抗議するのもバカにされる元だから、何もいえないな』といっていた」(池田氏
 ブログの中で扱うテーマとしてとくに多いのが、社会時評ブログだ。各々のブログのエントリーについて、その真偽のほどは読者の判断にゆだねるが、耐震強度偽装問題や、民主党ガセメール問題をマスコミよりもいち早く取り上げた「きっこのブログ」をはじめ、「きち@石根」、「極東ブログ」、「現役雑誌記者によるブログ日記!」などは、マスコミ関係者は目を通しておく必要がありそうだ。


 政治でいえば、山崎行太郎氏(文芸評論家)の「毒蛇山荘日記」だ。山崎氏は、物事の本質に切り込む鋭い感覚をもっており、このブログを読むと知的啓発を受けられる。
「安倍や安倍応援団、安倍系保守文化人などの対米姿勢には疑問を感じることが少なくない。怖いもの知らずの傲岸不遜な態度での対米交渉は危険である。ライスを中心とした米国政府の北東アジア戦略から、『日本がはずされる』ということの意味は、小さくない。少なくとも、ブッシュ・ライス政権が、日本の『安倍一派』を国際政治的にも軍事戦略の上でも、危険な存在として位置付け、戦略的に見捨てようとしている」(6月30日付)


 政治的に山崎氏と反対に位置する、山口二郎北海道大学大学院教授の「YamaguchiJiro.com」も注目に値する政治ブログだ。
「安倍政権が提示する主要政策は観念的なものが目立つ。実体的な資源配分とか利害調整が政治の本質なのだが、たとえば彼の教育論は基本法からはじまって抽象的な観念論に終始している。多くの人が納得する解決策を見いだしていく姿勢が、とくに保守政治には大切なのに、安倍は本来の保守とは異質な存在だ」(7月2日付)


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■国内紙未掲載の報道写真満載
 厳密にはブログではないが、主に20世紀以降の戦史と軍事について、あまり知られてこなかった戦いや兵器、背景を紹介しているのが、会社員の傍らフリーライターとしても活躍している藤丸涼太氏の「平成軍事拾遺館」だ。
 藤丸氏は「8月15日市ヶ谷台の弔火」('06年12月16日付)というエントリーで、終戦クーデターについて終戦時の陸軍大臣だった阿南惟幾主犯説を取っており、畑中という少佐が起こしたものだとする定説を覆す論調で面白い。
 軍事ものでいえば、戦闘機パイロットの元空将で、元航空自衛官佐藤守氏による「軍事評論家=佐藤守のブログ日記」も注目だ。「軍事を語らずして、日本を語るなかれ!」との命題の下、軍事のみならず国内外の防衛事情や政治などについてエントリーがある。
 元公安調査庁職員の野田敬生氏が書く「ESPIO」は、政界関係者も目を通しているブログだ。「公安調査庁――想像を上回る調査力の低さ!」(7月5日付)をはじめとする朝鮮総連本部ビル売買問題についてのエントリーでは、内部に通じているからこそいえる辛らつな意見が述べられている。
 国際関係の情報を知るには、国際時事、とくに日本をとりまくアジアのニュースに独自の視点からコメントを加えている「博士の独り言」がいい。メールマガジンではあるもののヤほぼ日刊ユで発行している「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」も必見だ。独自の情報網を駆使し、世界のニュースの舞台裏を評論家の立場から分析している。
「新聞よりも速く、雑誌よりも詳しく」をモットーに、国内外の航空ニュースを提供するのは、「Japan Aviation & Railway News」(航空ニュース JAN)だ。
 航空ニュースだけでなく、「ブッシュ、プーチン米ロ首脳は歩み寄ったか?」(「世界の首脳は今日・米ロ大統領を追う」の7月3日付)、「ロシア空軍、大規模軍事演習。太平洋、大西洋の両空域でも」(「海外航空ニュースヘッドライン」の8月14日付)などのエントリーがあり、最新の国際情報も網羅している。こうした記事に添付されている写真は、日本の新聞に載っていないものも多く、臨場感にあふれ、現場の雰囲気を伝えるものが満載されている。
 内部統制など、企業の法務関係の話題を知るには、「ビジネス法務の部屋」がお勧めである。
 弁護士である主宰者の山口利昭氏は、3年ほど前、ある会社の社外監査役を務めるなかで、ビジネスの世界の常識と、法律家の常識の違いを改めて感じた。その違いとはどういうものなのかを伝えたいと思い、ブログを始めた。
 山口氏はこういう。
「裁判は、過去の判決例を見ていくことで、取るべき道筋が見えてくるもの。裁判所が初めて取り扱うケースとなったブルドックソース敵対的買収防衛策や村上ファンド事件については、ある特定の投資ファンドの特殊な部分に焦点を当てるか、それとも日本の資本主義社会での投資ファンドのあり方そのものに焦点を当てるかによって、見方や判断が変わる。
 にもかかわらず、日本の企業社会では受け入れられにくい投資ファンドの異質な部分を誇張する報道が多い。そうした一面的な捉え方が常識となることを法律家として恐れており、『ブルドック最高裁決定と事前警告型防衛策の行方』(8月8日付)などのエントリーで一石を投じた。今後は消費者団体訴訟制度が、企業の社会的信用にどのような影響を及ぼすかに注目している」


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■大企業の不祥事情報を暴露!?
 山口氏のブログのほか、法務省会社法の立法を担当した葉玉匡美検事の「会社法であそぼ。」や、大手法律事務所所属で米国留学中の渉外弁護士の筆者による「Attorney@Penn LAW」もウオッチに値する。
有価証券報告書を見ていくと、大企業でも粉飾会計をしているところがボロボロと出てきます。具体的にどういう手口を使って粉飾会計をしているか、半年後くらいに順次公開していくつもりです」(前出、山根氏)といった爆弾情報も、「役に立つブログ」を逐次ウオッチしておけば、メディアに紹介される前に手に入るかもしれない。
 ただ、ブログがこのままメディアの一翼を担うかというと難しい。米国のブログは主宰者だけでなく、コメントを書き込む人も署名をつけるのが主流だ。本名で署名する人も多い。日本はというと、「2ちゃんねる」の隆盛でもわかるように、匿名で意見が交わされることがほとんどである。そのため、発言の責任の所在が曖昧になり、苦労してエントリーを書いても、「本筋と関係のない書き込みや誹謗中傷で場を荒らされ、議論が成り立たないことがある」(前出、池田氏)という。こうした状態に愛想をつかし、ブログを始めてもすぐやめてしまう専門家が多い。
 そういう意味でブログは、日本ではまだまだ発展途上のメディアだ。


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■「役に立つブログ」アドレス一覧表
 <政治・官僚>
「ESPIO」
http://espio.air-nifty.com/espio/
「毒蛇山荘日記」
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/
「YamaguchiJiro.com」
http://www.yamaguchijiro.com/
<経済・ビジネス>
「isologue」
http://www.tez.com/blog/
「山根治blog」
http://ma-bank.com/catid/21
池田信夫blog」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/
<国際>
「博士の独り言」
http://specialnotes.blog77.fc2.com/
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
http://www.melma.com/backnumber_45206/
「Japan Aviation & Railway News」
http://www.aviationnews.jp/
<軍事>
「平成軍事拾遺館」
http://www.geocities.jp/yuzukoseu/
「軍事評論家=佐藤守のブログ日記」
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
<企業法務>
「ビジネス法務の部屋」
http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/
会社法であそぼ。」
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/
「Attorney@Penn LAW」
http://blog.livedoor.jp/hibiya_attorney/
<社会・文化>
「現役雑誌記者によるブログ日記!」
http://officematsunaga.livedoor.biz/
「きち@石根」
http://ameblo.jp/disclo/
極東ブログ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/
きっこのブログ
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/


(2007年9月号掲載)