文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「日本のイスラエル化」と「安倍チンピラ外交」


安倍が、また国民向けのヤラセ臭い「自主外交・戦略外交」とやらで、チマチマと点数稼ぎをしたようだが、この「安倍チンピラ外交」の行く末を想像すると、間違いなく「日本のイスラエル化」「アメリカの前線基地化」、もっとわかりやすく言うと「日本の沖縄化」が待っている。


つまり、安倍は、小泉が国内でやった「国民騙しのプロパガンダ政治」を、米中露を相手にやろうとしている。別に安倍やその一派が粋がって何をやろうとかまわないが、その領収書を国民に回すのだけはやめてもらいたい。腰高の浮ついたチンピラ外交のあげく、「高転び」して、失敗したら、逃げたり隠れたりしないで、むろん泣きをいれたりすることなく、自分で責任を取って潔く切腹してくれよな。


安倍や麻生、額賀らが大騒ぎした国連安保理非難決議が、ひとまず無難な線で決着したことは喜ばしい。ひとまず、多くの国民がホッとしたところだろう。安倍らの自爆的な暴走を、結果的に評価する向きも少なくないだろうが、実はここの「つかのまの勝利」の裏に重大な危機が潜んでいることを忘れてはならならない。むろん、問題は、アメリカである。


アメリカは、国連安保理制裁決議提案において暴走する日本のハシゴをはずし、中露と取引しようとした。これはまぎれもない事実だ。ライス国務長官の冷淡な言動に注目し、再度精密に検証して見るべきだろう。一方、ボルトン国連大使は、国連決議の可決を喜びつつも、一歩背後に退き、逆に日本を前面に押し出そうとしている。これは日本外交の勝利だ、とでも言うように。


ブッシュと小泉が手を取り合って、どれだけ「日米一体」を強調しようとも、アメリカ政府の実務者達の思惑は別のところにある。中東に続いて、東アジアが国際紛争の「火薬庫」になるだろう。その時、日本の政治的、軍事的位置はどうなっているだろうか。


安倍や麻生、額賀等のように、何の定見もなく、アメリカをバックに「チンピラ外交」を続けるなら、一時的な自己満足は得られるだろうし、その結果、日本の「ナショナリストの衝動」は解放されるだろうが、いずれ、アメリカからハシゴをはずされて日本は孤立、そして間違いなく日本列島は東アジアの火薬庫(「日本のイスラエル化」)になるだろう。アメリカは、欧米各国とともに、遠くから「日・中・露」の激しい「つぶしあい」を、観察することだろう。


僕は、親米派である。ネオコンの政治哲学にも反対ではない。しかし、いずれにしろ素朴な親米の時代は終わったと思う。親米でありつつ、次のオプションを選択をするべき時に来ている。


それは、いずれ、アメリカにおだてられて暴走・自爆するだろう安倍的な「チンピラ外交」ではない。つまり日本は、親米派である間に核武装すべきである。それしか日本の生き延びる道はない。アメリカや、あるいは日本国民がそれを許すかどうか、それが問題だろうが、しかし非核武装のまま、小泉・安倍的な「チンピラ外交」を続けていくなら・・・、間違いなく、東アジアの「中東化」、そして日本は東アジアの「イスラエル」になるだろう。アメリカにとってはそれが21世紀の軍事的な世界戦略であり、アメリカ政府やアメリカ国民の理想かもしれないが・・・。

安保理、中露含む全会一致で対北決議案採択

【ニューヨーク=長戸雅子】国連安全保障理事会は15日午後(日本時間16日早朝)、公式会合を開き、日米などが提出した北朝鮮のミサイル発射を非難し、同国のミサイル・大量破壊兵器開発に関連する物資・技術・資金の移転などを阻止するよう加盟国に要求する決議案を全会一致で採択した。北朝鮮と友好関係にある中国、ロシアも決議に賛成、国際社会が一致して非難の意思を示したことで北朝鮮には大きな圧力となる。
 日米は当初、経済制裁などを可能にする国連憲章7章を明記した決議案を作成したが、中国・ロシアが「7章決議」に強硬に反対。とくに中国は拒否権行使も辞さない構えを見せたため、安保理の分裂を懸念した英国・フランスが7章を削除する代わりに「国際平和と安全の維持への安保理の特別の責任」を明記する妥協案を提示し、日米も土壇場でこれを受けいれた。
 安保理北朝鮮の行動に関して決議を採択するのは、同国に核拡散防止条約(NPT)脱退の再考を求める決議を採択した1993年以来。
sankei-web(07/16 08:45)

北非難決議、7章抜きでも「拘束力ある」

 日米両政府が、北朝鮮に対する非難決議には「拘束力がある」としているのは、外務省幹部によると、決議が対象とする事態の性格や決議の中で使われている用語、各国の公式発言などを「総合的に勘案し判断した結果」だ。
 まず、決議にある「(安保理は)国際の平和と安全を維持する特別な責任の下で行動する」との表現が、拘束力を担保している。

 同幹部は「『国際の平和と安全の維持』は、安保理の最も重要な権能であり、その権能は国連憲章7章の下で行使される」と指摘。北朝鮮のミサイル発射は「平和と安全」にかかわる安全保障問題そのものであり、「今回の決議が対象としているのは、安保理が7章下で取り上げる問題であることは明白だ」と説明する。

 また、決議のうち加盟国がとる措置の部分には、英語で「require」(求める)の表現が使われたが、これは「『義務を課す』と理解できる」と強調している。


 麻生太郎外相は16日、対北朝鮮非難決議が採択され「国際社会からの断固たるメッセージだ」と評価。「拘束力のある強い決議であり、北朝鮮が決議と国際社会の声を強く受け止め自国の義務を履行することを求める」と述べた。

 安倍晋三官房長官も「国連加盟国に制裁措置をとることを要求する拘束力の強い決議だ」とのコメントを発表。北朝鮮に「国際社会の声を真(しん)摯(し)に受け止め、直ちにミサイル開発を停止し発射モラトリアム(凍結)を再確認すべきだ」と警告した。

sankei-web(07/17 01:28)