文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

何故、今、竹島周辺の海底調査なのか?


竹島が燃えている。きっかけは、日本側による竹島周辺海域の海底調査だが、それに対する韓国の興奮ぶりも異常で、場合によっては「戦争をも辞さない」かのようだ。韓国が興奮しエキサイトするのは、これまでの竹島に対する取り組みを見ていれば、わからないではない。別に「竹島は韓国の領土だ…」などと思ってはいないが、しかしそれにしても、わからないのは日本政府の意図だ。


要するに、海上保安庁が突然、実施を公表した竹島近海の日本の排他的経済水域内での水路測量について、韓国政府は「拿捕も辞さず」と強硬に反発しているわけだが、それに対して日本政府は、強行突破を匂わせながらも、公式、非公式の外交交渉でこの問題を切り抜けようとしている模様だ。安倍官房長官が、明日、谷内正太郎外務次官が訪韓するということで、その外交交渉を見守ると発言しているところを見ると、強行突破は言葉だけで、実際はないのではないか。小泉も、例によって、ニヤニヤ笑いながら、「冷静になって円満な話し合い解決を」などと幼稚園児みたいなことを言っている。


とすれば、この竹島周辺海域の海底調査強行の意図とは、何か。何のために? これは、うがった見かたをすれば、小泉・安倍一派が仕掛けた、日本国内向けの政治的パフォーマンスではないのか。待ってましたとばかりに、日本政府の決断と強硬姿勢に拍手喝さいしているネット右翼諸君よ、その可能性はまったくないと言えるのか。


今日は、現地は天候不良で調査船がは出る気配はなかったようだが、おそらく真の問題は天候の問題ではなかろう。


たしかに、韓国は過去4年間に渡って竹島近海の海底の測量を強行し、そのデータを元に、6月、ドイツで開かれる国際会議で竹島近海の海底地形に韓国名をつけることを狙っている。


 日本もそれに対抗せざるを得ない訳だが、これまで日本政府は、いったいどういう対抗策を講じてきたというのだろうか。まったく無視し、黙殺してきたのではないのか。むろん、日本から見れば、自国の経済水域での水路測量は当然の権利であるし、海保による水路測量を予定通り実施すべきであろう。しかし、それが、なぜ、今、なのか。


そういえば、今日は、訪米中の中国のリーダー、コキントーとニクソンとの米中会談が行われる日である。それと何の関係もないのか。


明日、訪韓する谷内外務次官は、韓国政府との非公式折衝で、「6月の国際会議で、竹島近海に韓国名をつけるよう韓国が要求しなければ、海保の測量を見送る」と提案したようだが、韓国が簡単にそれを受け入れるはずがない。受け入れたら、ノ・テウ政権は崩壊するだろう。日本政府がそんなことが分からないはずがない。


とすれば、海底調査強行のポーズと、外交交渉のパフォーマンスで終わるのではないか。日本政府に、韓国政府ほどの覚悟が出来ているはずはない。たとえ、もし、それを韓国が、谷内次官の提案を受け入れたとしても、竹島問題の真の解決にはならない。


韓国政府は、拿捕すると言っているのだから、拿捕されるまで強行突破してみてはどうか。国際条約から考えてみても、国際的に韓国が孤立するだけだろう。小泉・安倍一派にその覚悟があるはずがない。一応、頑張りました・・・ということで、いつのまにか、有耶無耶に終わるだろう。その時期は、千葉補選が終わる頃だろう(笑)。

nikkei-net

日本による竹島周辺海域の調査に反対する市民団体のメンバーら=20日、ソウル〔著作権:AP.2006〕

政府、韓国に外務次官派遣へ・竹島測量問題の解決探る
 政府は20日、日韓双方が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)の周辺海域で日本が予定する海洋調査に韓国が反発している問題で、21日に谷内正太郎外務次官を韓国に派遣する方針を固めた。日本側は次官派遣で外交解決の糸口を探りたい考えだが、韓国側は強硬姿勢を崩しておらず、予断を許さない情勢だ。

 谷内次官は21日、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商第1次官らと協議する。

 小泉純一郎首相は20日、記者団に「冷静に外交交渉で解決していきたい」と表明。谷内次官の訪韓は「円満に話し合いで解決するためだ」と強調した。安倍晋三官房長官も記者会見で「(調査の)準備は着々とするが円満な解決が望ましい」と指摘、韓国側が調査船の拿捕(だほ)も検討していることには「国際法違反になることは明々白々」とけん制した。

 両国政府はソウルで韓国の潘基文(バン・キムン)外交通商相と大島正太郎駐韓大使が協議するなど、20日接触を続けた。 (20:49)