『三島由紀夫と二・二六事件』という堕本
35周年ということで、今年の憂国忌は、盛り上がっているようだ。「週刊新潮」には、市ヶ谷での自決場面の秘蔵写真が多数掲載されているようだし、書店にも三島関係の本が何冊も並んでいる。三島を批判的に見ていた人達も、今は三島由紀夫ブームに便乗して、三島関連本を乱造する時代になりつつある。いずれにしろ、三島自決直後の文壇・論壇の情勢は、35年の間に大きく変わってしまった。保守思想家や保守論壇は盛況であるが、しかしその中身はというと、明らかに内容空疎で、自分達の自前の言論や思想で論陣を張ることのできそうな思想家や言論人は皆無だ。保守思想家として生き延びるには、三島に依存し、三島ブームに便乗せざるをえないというわけだろう。『三島由紀夫と二・二六事件』という堕本を、「憂国忌35周年」のタイミングに便乗して刊行した松本健一など、その典型だろう。中身はスカスカだが、商売根性だけは…。丸出し…というわけか。というわけで、僕は、今日は、発起人の一人として憂国忌に出ます。乃木神社での鎮魂祭にも参加する予定です。
←人気ブログ・ランキング