文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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「楽天」の背後にいるのは誰か?

楽天グループの三木谷某のTBS株買占めによる「乗っ取り騒動(経営統合)」が山場にさしかかりつつあるようである。楽天は、すでにTBS株を「20パーセント弱…」、取得しているようだが、しかし資金面からも、社会的影響と言う面からも、身動きできなくなりつつあるようだ。すでにこれまで買収資金を提供してきたと思われる楽天側のメーンバンク(三井住友銀等…)も、敵対的買収への資金提供に対しては尻込みしているようだし、経済界やプロ野球関係者たちからも、そのあまりにも強引なやり方に対して、激しい楽天批判が沸き起こってもいるようだ。政財界に巧妙に手を回した上で用意周到な戦略の元に「TBS乗っ取り」作戦を仕掛けた楽天の三木谷にとっては予想外の展開になりつつあるようだ。すでに「名誉ある撤退」の道を探りはじめているのではないか、と楽天敗北を予言する金融や株式の専門家も少なくない。それを裏書するように、楽天は、TBSに対して一時休戦と思われる「楽天がこれ以上の株取得を中止する代わりにTBSの安定株主対策も中止を…」と妥協案を提案したと言われているが、すでに安定株主を50パーセント以上固めたというTBSサイドは、それを撥ね付けた模様だ。しかもここ数日、楽天本体の株式が下がり続け、ついに今年の最安値をつけている。そして今日は、プロ野球オーナー会議で、楽天と横浜の二球団の株保有と言う点(プロ野球協約183条違反)を突かれ、阪神株買占めで動いている村上ファンドに資金提供していることが発覚した「オリックス」の宮内義彦オーナーとともに激しく吊るし上げられたようだ。テレビ画面に映し出された宮内と三木谷の顔が引き攣っていたが、当然だろう。さて、阪神とTBS…、この一連の株買占め問題が連動していることは明らかだ。それを結び付けているのは村上や三木谷の背後にいる者たちである。阪神株買占めの村上ファンドの背後にオリックスの宮内がいることが炙り出されたが、TBS株問題の背後にはトヨタの奥田や総務大臣に就任したばかりの竹中平蔵がいることは間違いない。いずれも自民党小泉一派の面々である。三木谷の強気発言の根拠はここにある。すでに奥田も竹中も、公然と楽天を援護するような発言をしている。竹中は、新大臣就任の記者会見で「通信と放送の融合…」を明言したが、この発言が何を意味しているかは明らかだろう。つまり、この一連の株買占めの背後で動いているのは、小泉・竹中一派であろう、と思われるのだ。むろん、この動きは、ニッポン放送、フジテレビの「乗っ取り」を画策したホリエモンが、その後、小泉自民党の支援で衆院選に立候補したこととも無縁ではないだろう。しかし、そうであるにもかかわらず、つまり小泉・竹中一派の暗黙の支援があるにもかかわらず、三木谷や宮内が顔を引き攣らさざるをえないのは、何故か。小泉・竹中一派の力が及ばなくなりつつあるのか。それとも…。後は、彼等の今後の言動をもっとじっくり観察してから分析することにしよう。蛇足だが、三木谷は石原慎太郎にも渡りをつけている。三木谷は、「興銀」つながりで石原「三男」の選挙応援に駆けつけたが、その見返りとしてではあるまいが、その直後、石原慎太郎の推薦で東京都のナントカ委員にも就任している。竹中や石原がこの問題でどう動くか、いい見ものだ。TBSや評論家たちは、すでに勝負あったかのごとく、事態を甘く見ているが、僕はこの問題はそう簡単には片付かないと見ている。ただ、ここに来て小泉・竹中ライン(政界)や、あるいは奥田・宮内ライン(財界)の、つまり小泉一派の影響力に翳りが見え始めていることは、確かだろう。これは、小泉退陣が一年後に確定した…ということと無縁ではないだろう。小泉内閣のレーム・ダック化はすでに始まっているということだ。いずれにしろ面白い展開になってきたぞ…(笑)。








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