文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

小泉一派こそ除名されるべきだ。


郵政民営化法案をめぐる自民党内の内部抗争は、単なる一法案の是非をめぐる抗争から、今や過激な派閥抗争・権力闘争の段階に来ているが、マスコミをはじめとして、今は国際環境も危機的段階にあるのだから全党一致して事にあたるべきだという、いわゆる自民党的な派閥抗争そのものを批判し否定する動きがある。僕が理解できないのは、そういう「派閥抗争なき自民党」を夢想するような言論だ。それこそ、自由な言論や多様な政治活動を抑圧・弾圧する「全員一致のファシズム」ではないのか。かつて自民党単独過半数を獲得して長期政権を維持していた頃は、派閥抗争こそが自民党お家芸であり、僕に言わせればそれこそが自民党の生命維持装置であり、エネルギー源だった。自民党単独過半数を維持し得なくなって下野したり、少数政党との連立政権でしか政権を維持しえなくなった頃から、派閥の力が弱体化し派閥抗争そのものが機能しなくなってきた。それをもって自民党が健全な民主政党になったと考えるべきなのか、それともそれでもって自民党らしい自民党の時代は終わったと考えるべきなのか。僕は明らかに後者だと考えるが、驚くべきことに最近の自民党内にも、特に若手の自民党員を中心にして派閥抗争を罪悪視し、それを忌避する傾向が顕著である。それを典型的に体現しているのが、党内論争を恫喝と飴玉で弾圧し抑圧しようとするしか能のない小泉政権であろう。言い換えれば、「小泉自民党」には自由な言論の場所がない。その証拠に、政権中枢の政策を批判すると、批判するグループは、「抵抗勢力」とか「造反組」と呼ばれ、反党的活動として除名騒動に発展する。とんでもない話である。たとえば、郵政民営化は、自民党の選挙の時の公約だから、それを批判するのは民主主義の原則に反する、と議論する人までいる。驚くべき暴論というしかないが、これが新聞などにまで堂々と掲載されるのだからおかしな時代である。これは、自民党も、共産党公明党的な「全員一致のファシズム政党」であるべきだ、と言うような議論である。繰り返すが、自民党自民党らしさとは、たえず活発な議論を展開し、派閥抗争や権力闘争を繰り返してきたところにある。それを忌避し、恫喝し、弾圧することでしか党内を支配できない小泉自民党こそ、反自民党的というしかない。抵抗勢力造反組を除名するという話もあるが、まっさきに自民党から除名されるべきは、自由闊達な政策論争や派閥活動を恐れて、それを弾圧し恫喝する小泉一派であろう。






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