文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

■田口ランディの新作『富士山』が直木賞の候補に。

 昨日、田口ランディの新作『富士山』が直木賞の候補になったことがわかった。受賞するかどうは別の問題として、候補になったこと自体をまずは喜びたい。これは、不当な「盗作疑惑騒動」に巻き込まれ、作家生命まで失いつつあった田口ランディがみごとに復権に成功したということだ。
 僕は、パソコンやインターネットに深入りするようになって以来この問題にこだわってきた。僕がネットで遭遇した最初の重要問題だったからだ。それまではメルマガも「2ちゃんねる」もまったく知らなかった。ネットというと、僕ぐらいの年代の人たちは、その本質を理解する前に、すぐ批判的な「まなざし」を向ける。しかし、僕はそうではなかった。田口ランディ田中宇の存在を通して、今、ネットが重要なメディアになりつつあることを理解したからだ。しかも僕のような孤立・単独志向の性格の人間には、ネットはまことに便利な、且つ有効な武器になることを知った。すべて田口ランディ田中宇のおかげである。
 ところが、ネットに深入りしていくにつれてその田口ランディが、「2ちゃんねる」で「盗作疑惑問題」をネタに総攻撃を受け、作家生命まであやうくなっていることを知った。田口ランディに対する批判・罵倒は相当にヒドイものだった。僕は、これは放置してはいけない問題だと直感した。
 大月隆寛が編集した「田口ランディの盗作疑惑検証本」まで手に入れて読んだ。そして月刊誌「自由」のコラムでこの問題を取り上げることにしたのである。
 実はこの「盗作疑惑騒動」の表の仕掛け人が大月隆寛だった。それまで僕は大月隆寛にはなんの関心も持っていなかったが、これを契機に大月隆寛の言動に注目するようになった。そして書いたのが「大月隆寛への公開状」(月刊「自由」)である。
 すると大月隆寛は、「サイバッチ」とかいう商業用メルマガで僕に対して「報復」を宣言してきた。が、その後、大月隆寛は沈黙を続けている。
 いずれにしろ、田口ランディの「復権」によって、この問題も第二ラウンドに入った。僕は、すでに何回も書いたように「2ちゃんねる」や匿名掲示板を否定はしない。しかし、特定の人物を批判・罵倒するなら、それ相当の反撃や逆襲も覚悟しておくべきだろう。
 逆襲されるとすぐ匿名の闇へ「逃げ込む」ようでは、たとえ「2ちゃんねる」であろうと、モノを書き表現する資格はない。