文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

2015-10-11から1日間の記事一覧

櫻井誠と廣松渉(3)ー「物象化論」とはなにか?廣松渉の哲学の中心思想は、「物象化論」と言われている。あるいは「疎外論から物象化論へ」とか「物的世界観から事的世界像へ」とも言われる。私見によれば、それは、近代的な「主体ー客観二元論」の疎外論的哲学に対して、「関係の第一次性」を重視する反近代的な「関係の哲学」思想である。

たとえば、具体的に言えば、人間存在は、本来的にあるべき人間本質が先行的にあるのではなく、様々な「関係の産物」として、つまり社会環境や自然環境の産物として出来上がるものだと考える。つまり、産まれた場所や育てられた環境、風土、受けた教育・・な…