文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

パリ・テロ事件とサイクス・ピコ協定。「第一原理」と「起源」の哲学。


人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ

パリ・テロ事件のメロドラマ的報道の垂れ流しを見ていると、何か胡散臭いものを感じる。フランスという国も、国民も、「反知性主義」的で、いい加減な国だと思う。花とロウソクで、事件の真相と深層をもみ消そうとしているように見える。テロ事件は、単純素朴な、いわゆる凶悪な犯罪者が引き起こした猟奇的事件ではない。テロ事件には理由と原因がある。極めて政治的、思想的事件である。テロ事件の前にフランスによる「シリア空爆」がある。「イスラム空爆」と言ってもいい。空爆による死者は、「100」名単位ではないだろう。シリア難民の直接的原因は、「イスラム国」というテロ国家だけが原因ではなく、むしろ「シリア空爆」による大量殺人にある。誰もが、その政治的、思想的背景を知っているにもかかわらず、知っているが故に、誰もが口を閉ざしている。フランスは、テロ事件を理由に、「戦争状態」だとかなんだとか言いながら、またまた「空爆」を開始、拡大したらしい。これはまさしく、フランスによる「マッチポンプ的展開」とでも言うべきだろう。さて、話は、さらに遡る。何故、フランスは、イラク問題やシリア問題に介入し、深入りするのか?もちろん、理由がある。フランスの利権が深く関わっているからだ。第一次世界大戦の頃、イギリスとフランスの間に結ばれた秘密協定「サイクス・ピコ協定」というものがあった。「サイクス・ピコ協定」とは何か。パリ・テロ事件を遡ると、この「サイクス・ピコ協定」に行き着く。「サイクス・ピコ協定」とは、ドイツとともに、第一次世界大戦の敗戦国となったオスマン・トルコ大帝国の領土を、イギリスとフランスが、現地の宗教や文化や歴史を無視して、「分捕り合戦」をした秘密協定である。つまり、イギリスとフランス、それにロシアが加わって、この一帯の国境線を、人工的に引いたのである。「イスラム国」の建国の大きな理由(目的)のひとつは、この「サイクス・ピコ協定」への批判と怒り、さらに自分たちの手で、国境線の引き直すことである。(続く)


人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ

(石川啄木の『ココアのひと匙』(啄木詩集)より、)




われは知る、テロリストの 

かなしき心を
 
言葉とおこなひとを分ちがたき 

ただひとつの心を、

奪はれたる言葉のかはりに
 
おこなひをもて語らんとする心を、
                        
われとわがからだを敵に擲げつくる心を
            
しかして、そは真面目にして熱心なる人の常に有つかなしみなり
 
   はてしなき議論の後の

   冷めたるココアのひと匙を啜りて、

   そのうすにがき舌触りに

   われは知る、テロリストの

   かなしき、かなしき心を。


人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ (続きは、「イデオロギーから存在論へ」「文学や哲学を知らずして政治や経済、軍事をかたるなかれ」がモットーの『思想家・山崎行太郎のすべて』が分かる!!!有料メールマガジン『週刊・山崎行太郎』(月500円)でお読みください。登録はコチラから→http://www.mag2.com/m/0001151310.html