文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

沖縄と近代国民国家=日本の成立。日本は昔から日本だったのではない。少なくとも近代国民国家=日本は、沖縄や北海道(蝦夷地)などの「異国」や「異国的なもの」を、内部に取り込むことによって成立した人工国家である。


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昨日は、「月刊日本」の新事務所で忘年会だった。私が、途中で、「月刊日本」一月号(発売中)に掲載している「沖縄論」を話したところ、刺激を受けたらしく、しばらく、激しいやり取りがあった。沖縄問題は、日本人を興奮させるらしい。


しかし、避けて通るわけにはいかない。忘年会には、「月刊日本」の常連執筆者でもある稲村公望先輩も参加。稲村さんとは、鹿児島市内で、同時期に高校時代を過ごした関係だが。奄美の徳之島出身の稲村公望さんなどは、形式的には、鹿児島県人だが、薩摩藩に占領される前の琉球民族の誇りを、今でも強く持っている。奄美の島々は薩摩藩ではなく、琉球王朝に属していたのである。


私と会った時の稲村さんの口癖は、「奄美は薩摩ではない」「薩摩はケシカラン」である。奄美も、沖縄と同じように米軍の軍政下にあったのである。本土復帰は、沖縄より早かったが、日本から切り離されていた時代も長かったのである。


沖縄=琉球問題を、素朴な体験談だけで語るひとが少なくないが、沖縄に行ったことがあるとか、住んだことがあるというだけでは、沖縄=琉球問題の本質は見えてこない。沖縄=琉球問題は、高度に思想的、政治的問題である。見える人には見えるだろうが、見えない人には見えない。現地取材をすれば分かるような問題ではない。


たとえば、チベット独立論や東トルキスタン独立論を騒ぐ人が、沖縄独立論に無関心なのは、そこに原因がある。

(続く)


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