文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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日本のエセ科学者たちは、何故、「再現実験中止」にこだわるのか?

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先日の「STAP細胞検証実験=中間報告」でも、マスコミ関係者やエセ科学ジャーナリストたちが、しきりに、「研究不正=再現実験中止」の方向で、質問しようとしていたが、相澤慎一・特別顧問、丹羽仁史等は、「STAP細胞検証実験」、あるいは小保方晴子博士による「再現実験」に固執し、「研究不正問題」を無視・黙殺し、「その問題は自分たちには関係ない問題だ」と、苦笑していた。逆に、「小保方さんでなければ、出来ない実験もある」と。「小保方さんに、最終的に決着をつけてもらう」と。正論ではないか。それが、科学ではないか?


「Nature論文が取り下げられたから、STAP細胞はない」と言っているエセ科学者たちは、「論文」や「プロトコル」がすべてだと思っているようだが、トンデモナイ・・・妄想である。現実=自然は、論文やプロトコルに書いた通りには出来ていない。


中谷宇吉郎という科学者の『科学の方法』を読んだ。昔、学生時代に読んだ時には、あまり興味を持たなかったが、「STAP細胞事件」の渦中にある今、読み返すと、なかなか説得的だ。中谷宇吉郎は、「科学の本質は再現性である」と言っているが、「科学は再現できるものしか問題化出来ない」とも言っている。面白い。最近のエセ科学者たちに、聞かせたい言葉だ。


中谷宇吉郎の言葉を、僕流に言い換えると、こういうことだ。先端科学の研究者たちは、再現できない現実=自然に立ち向かっているということだ。つまり、先端科学の研究者たちは、再現できない現実=自然の中から、法則や理論を見出し、それを定式化し、一般人(エセ科学者)にも再現できるようにする人たちだということだろう。逆に言うと、エセ科学者たちや一般人が、再現性や論文にこだわるのは、彼等が、再現できない現実=自然に立ち向かったことがないということだ。


中谷宇吉郎は、最後に、こう言っている。「しかし、自然科学は、人間が自然の中から、現在の科学の方法によって、抜き出した自然像である。自然そのものは、もっと複雑でかつ深いものである。」(『科学の方法』)

(続く)



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■以下のような新聞記事もある。「中間報告記者会見」場での、新聞記者たちの幼稚=稚拙な質問から、こんな記事ができるらしい。新聞記者が何を、言いたいかは、よく分かる。(笑)

それでも「STAP検証」実験を続ける意味はあるのか
2014年08月31日01時17分




 STAP細胞の存在は限りなく疑わしくなったと言えよう。

 理化学研究所は、STAP細胞の検証実験で、存在の兆候すらつかめないとする中間報告を発表した。

 小保方晴子ユニットリーダーが主著者となった論文の記載通り、マウスの脾臓(ひぞう)の細胞を弱酸性の溶液に浸して刺激を与え、多能性を持たせようとしたが、22回の実験は、いずれも失敗した。

 刺激の方法などを変え、来年3月まで実験を続けるという。論文とは異なる手法も試す。

 これとは別に、小保方氏にも、11月末まで実験させる。

 理研は、細胞の有無に決着をつけ、国民への説明責任を果たすと強調している。

 疑問の多い判断である。検証実験は4月に始まったが、7月に論文が撤回され、研究は白紙に戻った。STAP細胞は、科学的に「存在しない」状況になった。

 こうした中で、公金を投じて検証実験を続ける意味はあるのか。理研が実施しているのは、「悪魔の証明」と呼ばれる不存在の証明実験とも言えるだろう。


 例えば、雪男を捕らえれば、その存在を証明できる。だが、存在しないことを証明するには、世界中をしらみ潰しに探す必要がある。日本分子生物学会が、実験凍結を求めたのは、もっともだ。

 STAP論文の不正で、理研の信頼は、大きく傷ついた。理研が今、取り組むべきは、研究不正を防ぐ対策の徹底である。

 理研は、外部有識者による改革委員会の提言を基に、組織改革の行動計画をまとめた。STAP研究の舞台となった発生・再生科学総合研究センターの規模を半分に縮小し、体制を一新する。

 STAP細胞の疑惑が2月に浮上して以降、センターの研究活動に悪影響が及んでいる。STAP細胞論文の主要著者である笹井芳樹副センター長の自殺という痛ましい出来事もあった。

 センターはこれまで、再生医療研究の主要拠点としての役割を担ってきた。今後も、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜細胞を移植する世界初の臨床研究が予定されている。

 組織のスリム化により、人事などの透明性を向上させ、科学者が研究に集中できる環境を築いてもらいたい。

 理研本部は、ガバナンス(組織統治)強化のため、経営戦略会議の新設を決めたが、人選はこれからだ。外部の目を生かし、危機管理能力を高めねばならない。