何故、柄谷行人の文章は読めるのに、柄谷に関する解説的、批評的文書は読めないのか?柄谷行人を論ずる人たちが、柄谷の文章が読めていないのではないか。
柄谷が、マルクスを論じるとマルクスの「専門家もどき」が登場し、柄谷を論じる。柄谷が柳田國男を論じると柳田國男の研究者や専門家と称する者たちが登場し、柄谷を論じる。彼等には柄谷が理解できるのだろうか。もし、理解できているとすれば、柄谷行人よりも先に、「柄谷行人的問題」を追及していたはずである。私は、彼らは、柄谷の文章が読めていないはずだと思う。今、「柄谷行人論」をまとめているが、柄谷自身の文章は読めるが、柄谷を論じた文章は読めない。まつたく、「柄谷行人的問題」がわかっていない。
同じようなことが、最近の保守論壇にも言える。中国批判や韓国批判に熱中する幼稚・稚拙な排外主義的ナショナリズムが、「なんでも日本が一番」という誇大妄想的な保守思想の衣をまとっているにすぎない。小林秀雄や福田恒存、三島由紀夫等の文章に、中国批判や韓国批判の文章があっただろうか。あるはずはない。自己批判としての日本批判はあったかもしれないが、外国文化批判はない。
猪瀬直樹が都知事を辞職するそうだ。別に感想はない。そもそも、猪瀬は全共闘の闘士だったそうである。とすれば、れっきとした左翼だったということになる。私は、昔から左翼を信用していない。左翼は反権力とか反体制を売り物にしているが、その本質は体制迎合、体制順応だと思っている。猪瀬直樹や西部邁等の生き方を見ていると、笑わざるをえない。いつも表舞台にいなくては気が済まない連中だ。学生時代は左翼過激派の闘士、卒業すれば国家や会社の企業戦士。まことに結構なことである。私は、連合赤軍の兵士たちやテロの犠牲者たちのことは尊敬しているが、彼等を批判しながら、のうのうと生きている元左翼過激派が嫌いである。私が、「柄谷行人論」を書いたのは、柄谷行人が一貫して左翼を生きているからである。猪瀬の哀れな姿を見ていると、左翼過激派の「なれの果て」という気ががする。見苦しい。
猪瀬直樹に印籠を渡したのは石原慎太郎だそうである。いいコンビである。石原慎太郎は、ゴマスリに弱い。しかし、切り捨てるのも早い。自分だけが生き延びようとしているのだ。徳洲会事件は、明らかに「石原慎太郎スキャンダル」である。石原一家に、かなりの金額が渡っているはずである。石原慎太郎は、猪瀬直樹をスケープゴートにして、自分は生き延びようとしているのだろう。これまた、哀れである。
「週刊金曜日」が、来春早々に、「曽野綾子大批判」を特集するそうである。曽野綾子よ、いつまでも、知らぬ存ぜぬで通せると思っているのか。そうはさせない。原稿依頼が来たので、私も書く。(続)
(続く)
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