文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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■ナンバー2の銃殺と北朝鮮崩壊論

張 成沢(チャン・ソンテク)が、失脚を伝えられ、それが事実と判明してから、時間がまだそんなに経過していない昨日、臨時軍事裁判で死刑判決を受け、即時、処刑(銃殺)されたという。国家反逆罪?ナンバー2の銃殺。
私は、沖縄集団自決事件の赤松部隊での住民処刑事件を連想した。曾野綾子が賛美する赤松部隊の惨殺事件である。即断即決の処刑事件?文字通り、背筋が凍るような冷酷無残な銃殺処刑事件である 。
いかなる理由があるにせよ、腑に落ちないものがある。さすがのアメリカ政府も非難声明を出しているようだ。独裁政治確立を目指してのものだろうが、これが吉と出るか凶と出るか、私には、分からない。この銃殺処刑事件は、政治的事件であることは間違いないが、その裏で、女が絡んでいると思う 。妹?叔母?妻? 北朝鮮金正恩(ジョンウン)体制が、「処刑事件」を公言し始めたのは、金正恩(ジョンウン)の「前恋人?」の処刑事件からである。弱い政治指導者はスケープゴートを必要とする。小泉純一郎政権もそうだったが、安倍政権も同じ隠微な構造を持っている ように見える。対岸の火事ですますわけにはいかない。しかし政治権力というものが瓦解する時、よく見られる現象のようにも見える。それとも、「金正恩(ジョンウン)独裁体制」の確立へ向かうのだろうか?(続く)

(産経新聞)
北朝鮮国営の朝鮮中央放送(ラジオ)は13日早朝、金正恩キム・ジョンウン)第1書記の叔父で後見人とされた前国防副委員長の張成沢チャン・ソンテク)氏に対して、12日の国家安全保衛部特別軍事裁判で死刑判決が下され、即日執行されたと報じた。

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張成沢氏処刑 正恩氏、冷徹に基盤固め 父死去2年、内外に継承強調ー産経新聞 12月14日(土)7時55分配信


 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮が、「反党反革命的宗派行為を働いた」として全職務から解任した前国防副委員長、張成沢(チャンソンテク)氏を、解任からわずか4日で処刑した。


17日に控える金正日(キムジョンイル)総書記の死去2年を前に金正恩(ジョンウン)第1書記は、「叔父であれ自分に逆らう者は容赦なく粛清する」という極めて強硬な姿勢を内外に示した。

 張氏の犯した「敵らとの思想的同調」「国家転覆陰謀行為」が共和国刑法第60条に該当し、死刑に処されたという。朝鮮中央通信は張氏による「クーデター(政変)計画」に言及しており、処刑は2004年4月以降に同条に盛り込まれたとみられる「国家転覆陰謀(クーデター計画)」が適用されたもようだ。

 北朝鮮の国営メディアは、8日の党政治局拡大会議で連行された張氏の写真に続き、死刑判決が下された際の手錠をかけられうつむく張氏の生々しい写真も公開した。

 北朝鮮では1956年に中国で活動した延安派とソ連派が、67年には日本統治時代の朝鮮半島で抗日活動に携わった甲山派が、いずれも金日成(イルソン)主席に対立するグループとして粛清された。張氏処刑は過去の粛清に比べても極めて露骨であり、しかも、処刑対象が最高権力者(金第1書記)に近い親族であるという点で、65年にわたる北朝鮮の政治史の中で、特異な事件といえる。

 北朝鮮は張氏のクーデター計画について明言し、「朝鮮人民軍最高司令官(金第1書記)の命令に従わないという反革命的な行為」を張氏が犯したことを強調している。反逆者、つまり金第1書記に逆らう者は親戚であろうが、後見人であろうが容赦なく処断するという“冷徹”な金第1書記の意志を張氏処刑ではっきり示したかたちだ。

 過去数回“復活”を果たし、権力中枢に返り咲いた張氏だが、死刑により、この世自体から姿を消した。同時に、クーデター計画を北朝鮮当局が認めたことで、北朝鮮の上層部で、金正恩体制への不満や反発が存在していたことも一方で明らかになった。

 中国とのパイプがあるとされた張氏を処刑した金第1書記は、中国の眼を無視する形で処刑に踏み切った。対外関係よりも、張氏の処分が喫緊の課題であったようだ。

 金主席の粛清後と同様に、北朝鮮では金第1書記への「絶対忠誠」が強調されている。張氏の処刑後、張氏に関係のある人物への徹底した粛清が続けられるのは確実だ。