文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「江古田文学」ドストエフスキー論特集で「清水正」を特集!!!が完成。というわけで、久しぶりに、江古田の某所で、清水さん、山下さんらと祝杯!!!

この特集号には、僕も書いているが(「ニコライ・スタブローギンの帰郷」)、日大芸術学部の僕の教え子で、僕がひそかに期待する「愛弟子(?)」の一人、先ごろ、「文芸思潮」の「詩」部門の新人賞を受賞した「山下洪文(日芸5年生?)」も、寄稿している。「清水正著『罪と罰論余話』を読む」と「憑かれざるものとしての批評家ーー清水正著『悪霊の世界』について」の二篇。これがまた凄い。僕の目に狂いはない。山下君は、僕の「エッセイ研究」クラスの学生として、人民服のような服を纏った、ロシア革命前夜のテロリストのように、暗く、異様な風貌で、僕の前に登場した。「山下洪文」という名前は、父親が、中国文化大革命時代の四人組の一人で、青年革命闘士「王洪文」のファンでだったことから、名付けたものだという。書くものは、今時珍しい左翼バリバリの革命論と思想論ばかり。それまで、誰からも相手にされなかったらしい。登校拒否で下宿に閉じこもり、本ばかり読んでいたという。したがって、当然、もう5年生だが、卒業の見込みはない、と。最初は、革マルの活動家か(?)と思ったが、話して見たら、話題豊富、博識。「それなら僕の弟子になれ!!!」というわけで、この「落第革命家」と付き合うことになったのである。授業が終わると、江古田の某焼き鳥屋へ直行。山下君のジュースを飲みながらの難解な文学論と革命論を、僕はひたすらビールを飲みながら聴く。充実した心踊る時間だ。山下君の欠点は、今年も卒業できなきことと、お酒が飲めないことだ。日芸には、時々、優秀な学生がいるので、楽しい。4年生は、25日(月曜日)が卒業式らしい。やっと知り合いになったばかりの学生もいるが、もうお別れか。何となく淋しくなるが、それも仕方ないか。そこで晩唐の詩人・于武陵の一句。----「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ。(井伏鱒二訳)」----。また新三年生が江古田にやって来る季節だ。

勘酒  于武陵    
勧君金屈巵 
満酌不須辞 
花發多風雨 
人生足別離 



(井伏鱒二訳)
この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ

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★「清水正ドストエフスキー論全集自筆年譜」 が掲載されている清水正ブログ
http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/20130322

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