文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

小川法相は、何故、更迭されたのか?法務省・検察改革を目指し、指揮権発動をも辞さない覚悟の小川法相が、消費税増税しか頭にない野田にとって、邪魔になったからだろう。

東京新聞の長谷川洋行氏による小川前法相へのインタビューがある。これが面白い。以下に紹介する。いずれにしろ、検察や司法に問題があるということは、小沢一郎支援者だけではなく、多くの日本国民の常識となりつつあるということだろう。それに蓋をしても無駄だろう。野田は、原発再稼動、司法改革、消費税増税・・・などの問題で首が回りそうもない。
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 現代ビジネス 長谷川幸洋ニュースの深層」 6月7日

「指揮権発動について再び首相と会う前日に更迭された」、「小沢裁判の虚偽報告書問題は『検事の勘違い』などではない!!」小川敏夫法務大臣に真相を聞いた。



 検事による虚偽の捜査報告書作成問題に関して、小川敏夫前法相が退任会見で検事総長に対する指揮権発動を考えていたことをあきらかにした。法相の指揮権発動とは穏やかでないが、いったい背景に何があったのか。当事者である小川前法相に6日午後、議員会館でインタビューした。



 すると、問題の田代政弘検事に対する捜査・処分をめぐって、法相と法務省・検察事務当局の間で生々しい「暗闘」が繰り広げられていた実態が浮き彫りになった。

 小川は5月11日に野田佳彦首相に面会して、検事総長に指揮権を発動する考えを伝えた。そこでは首相の了解が得られないまま、二度目の面会が開かれる直前、内閣改造で突然、事実上の更迭となった。更迭の理由は「国会で携帯の競馬サイトを見ていた」とか「弁護士活動でトラブルがあった」などと一部で報じられたが、小川はまったく納得していない。

 小川は「捜査報告書は検事の記憶違いではない。ほぼ全部が架空なんです」「(指揮権を発動する考えを)総理につぶされたとは思っていません。でも、あっという間にクビになっちゃった」などと語った。以下、インタビューでのやりとりを紹介する。



それ以外も全部が架空なんです
長谷川: 指揮権発動はいつごろから考えていたのか。

小川: この問題はそもそも裁判所で指摘されているわけですよ。(小沢一郎の裁判で秘書の)石川さんの供述調書が証拠として排除されましたね。田代検事が数日かけて作成したという捜査報告書も「(検察の)組織的関与が疑われる」と猛省を促している。これは事実を的確に表していると思う。

 ぼくはインターネットに流出した捜査資料を読んでみました。捜査報告書については、法務大臣に就任してから非常に重大な関心をもって「国民の理解を得られる対応をしなければいけない」とあらゆる機会に言ってきた。

長谷川: なるほど。

小川: それで裁判で証拠の排除があって、捜査報告書を読んでみると、これは田代検事の記憶違いじゃない。とうてい言えない。マスコミも検察にうまく乗せられているような気がします。つまり「(石川が田代から11万人以上の選挙民から支持されて国会議員になったと言われた)一部分が架空だった」というように書いているけど、実際の報告書を読むとそうじゃない。ほぼ全部が架空なんです。架空の一つの例として「11万人」が挙がっているだけ。それ以外も全部が架空なんです。(石川がしていた秘密の)録音の中には一言も出てこない。

長谷川: その点を省内で指摘された。事務方はなんと言ったのか。

小川: 「(田代の)勘違いだから」と言っていた。そこら辺は大臣としての省内のやりとりだから(詳しくは)勘弁してもらいたいけど、ようするに田代検事の勘違いというのは、とうてい考えられない。

検察は無罪になる証拠しか集めていない
長谷川: それが納得できなかった?

小川: だれも納得しないでしょ。裁判所が言っているとおりですよ。

長谷川: それで指揮権という話になったのか。

小川: ぼくは何度も言っているとおりで、国民の理解が得られる対応をしなくちゃいかんと。つまり田代個人の記憶違いということで終わらせるな。それではなんの反省にもなりませんから、と言い続けたわけ。でも馬耳東風で聞き流されて、新聞にどんどんリークして。(田代の)記憶違いという弁解を破れないだなんて言って、ちょろっと人事で相談なんて言ってるから。一般的に言っても聞かないんだから、じゃあどうするかっていう話になる。

長谷川: そこで指揮権発動を考えた。

小川: うん。それしかないでしょ。たとえば今朝(6月6日)の朝日新聞の社説でね、検察審査会で判断すればいいだなんて言ってるけど、まったくトンチンカンですね。

長谷川: どうして?

小川: 検事は無罪になる証拠しか集めてないんですよ。田代の記憶違いだと。それを破る証拠を集めてないんですよ。それが検察審査会にいって、どうなります?

長谷川: それはムリですね、素人がみても。

小川: 証拠がないんだから。田代の弁護人が捜査してるみたいなもんですよ。だから検審にいくっていう意味がない。有罪の証拠を集めずに無罪の証拠を集めている。そういう風につくっているんだから。捜査記録は見ていませんから、断定的に事実関係を言えないけど、記憶違いとしか言ってないんだから、集めてないんです。