文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

佐藤優氏の「TPP擁護論」を読む。ネットやブログはTPP批判一色で、至る所に「TPP亡国論」的言説が溢れている。こういう全員一致のファシズム的言説こそ危険なのではないか。

今、尊敬出来る数少ない思想家の一人である佐藤優氏が、TPP擁護論を展開していることは知っていたが、ネットでも読めるかたちで、つまり「佐藤優の眼光紙背」で、TPP擁護論を詳しく展開しているので、読んで見ることにする。僕は、脱原発の言説ももそうだったが、異論を寄せ付けないかのような、全員一致のファシズム的言説こそ危険であると思っているので、ここにきてようやく、本格的なTPP擁護論が出てきたことを喜びたい。TPP擁護論、ないしはTPP推進派の面々は、何故、TPPでなければならないのかについて、論理的な、説得力ある説明を行ってきていない。知らないのか、隠しているのか、それともTPP参加に何か後ろ暗いところがあるのかどうか分からないが、積極的に説明しようとして来なかったのは事実である。それが、ますますTPP反対派が勢いずく根拠になっている。いま、ここで、佐藤優氏が、TPP論争の場を切り開いてくれたことは、賛否はともぁくとして、大いに評価すべきだ。さて、佐藤氏の論理展開で重要な位置を占めているのが「新帝国主義の時代」「帝国主義的再編の時代」という時代・状況認識である。つまり、具体的に言えば、日本は、中国を中心とする帝国主義の側につくのか、米国を中心とする帝国主義の側につくのか、という問題意識である。佐藤氏は、当然、米国側につくべきだと言うわけである。それがTPP参加だ、と。佐藤氏のTPP擁護論の論理展開でも、やはり中国問題が重要な位置を占めていることは明らかで、野田総理のTPP参加表明後の中国政府の対応に、たとえば政府関係者の焦り、そして、「いずれ、TPPに中国も参加したい・・・」と受け取れるかのようなコキントー主席の弱気発言の意味に注目する。確かに、中国政府の発言としては、近年、珍しい低姿勢発言である。恐らく、野田総理のTPP参加表明が、中国を必要以上怯えさせているのだろう。TPPによる日米同盟の強化、中国包囲網の確立、中国の孤立化・・・が、中国の「これから」に、大きな暗雲となってのしかかてくると判断しているものと思われる。(続く)

佐藤優の眼光紙背】アメリカに対して異議申し立てをきちんとする野 田佳彦首相を外務官僚は全力で支えよ
2011年11月15日17時00分


 国際社会が再び日本外交に対する関心を強めている。野田佳彦首相が外交面で急速に力をつけているからだ。そのことが顕著に現れたのが、11月12日(日本時間13日)、米国ハワイで行われた日米首脳会談だ。野田首相オバマ大統領に対して日本がTPP(環太平洋経済連携協定)に関する交渉に参加するという方針を伝えた。これは外交戦略的に大きな意味を持つ。野田首相は、アジア太平洋地域における新秩序を日米を基軸にして構築するという日本の国家意思を表明したと、世界は受け止めている。

 現在、世界的規模での帝国主義的再編が進んでいる。これまで日本は、「二股」をかけていた。第1は、日中を基軸とする東アジア共同体構想だ。しかし、中国は航空母艦を建造し、海洋覇権の獲得を本気で画策している。さらに中国政府は否定しているが、日本や米国に対するサイバー攻撃に中国の国家機関が関与していることは、インテリジェンス関係者やサイバー・セキュリティー専門家の間での常識だ。より根源的に、中国は現下国際社会で受け入れられているゲームのルールを一方的に変更しようとしている。このような状況で、東アジア共同体構想を進めることは、日本の国益に反する。

 そこで、第2のシナリオ、すなわち日米同盟をTPPという形で、経済面でも深化していく必要が生じたのだ。野田首相が、東アジア共同体構想と訣別し、TPP交渉に参加するという姿勢を明確にしたことは、日本の国家戦略として正しい。農業や医療など、経済的な部分均衡の問題で、国家としての大局を見失ってはならない。客観的に見て日本は帝国主義大国である。本気にならば、米国と五分に渡り合うことができる。日本の力を過小評価してはならない。

 野田首相が、TPP交渉へ参加するという日本の国家意思を表明したことを受けて、中国政府も前言を翻し、TPPを評価する発言をし始めた。特に11月12日(日本時間13日)、ハワイで行った講演で中国の胡錦涛国家主席が、<経済統合の動きは「異なるレベル、異なる範囲で、多くのチャンネルと方法を通じて推進することがより好ましい」と指摘。あくまで、中国が訴える東南アジア諸国連合ASEAN)と日中韓3カ国の自由貿易協定(FTA)などの動きを引き続き進める立場を強調した。/そのうえで、「中国はASEANとの自由貿易区や東アジアの全面的な経済パートナーシップ、TPPなどを基礎にして、アジア太平洋自由貿易区の建設を着実に進めることを支持する」と述べた。>(11月13日朝日新聞デジタル)ことが実に興味深い。中国は、TPPが対中包囲網になることに対して強い焦りを感じるとともに危惧を覚えている。それだから胡錦涛主席がTPPに擦り寄る姿勢を示しているのだ。今後、中国はTPP交渉への参加を求める可能性がある。そこで議論を混乱させ、TPPによる日米を基軸としたアジア太平洋地域の帝国主義的再編を阻止することを試みると筆者は見ている。中国が日本との関係でこれほど狼狽したのは、近年では珍しい。野田外交の勝利と言える。 (以下略)


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http://news.livedoor.com/lite/article_detail/6029235/

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