文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

野田新政権を点検・解剖する。野田新政権は、「反小沢一郎シフト」である仙谷、前原、藤井依存体制を続ける限り内向けの片肺内閣であり、米国だけではなくロシアや中国、韓国にまで軽視・軽蔑される「ヨチヨチ歩き内閣」になるしかない。

首相が、菅直人から野田佳彦に代わったことは日本にとってひとまず悪いことではない。菅直人のような不可解な、病的な人格の人間がトップの座に居続けることは、対外的にも対内的にも百害あって一利なしである。その意味で、野田佳彦はそれほど特殊な人物ではなさそうである。言い換えれば、あまりにも凡庸な人格のように見える。総理など目指さなければ幸せに暮らせただろうと思われるような人物である。それは、早速、民主党代表に選ばれるや、幹事長に小沢一郎系と思われる輿石東を抜擢したことや、これまた小沢一郎側近と思われる山岡某を国家公安委員長にしたことに象徴されている。これは、「小沢一郎の怒り」を買うことを野田佳彦が恐れ、警戒していることを意味している。しかし、野田佳彦は、その一方で、反小沢一郎勢力である仙谷由人前原誠司への依存を深めつつある。早晩、小沢一郎との対決は避けられないだろう。仙谷由人前原誠司には、果たすべき政治目標も経済対策も、そして震災対策も原発対策もない。仙谷由人前原誠司に何かがあるとすれば、米国や官僚の言いなりになることぐらいであろう。いずれにしろ野田佳彦政権が、党内融和、挙国一致内閣とは程遠く、内部にいつ爆発するかわからない強力な時限爆弾を抱えた弱体内閣であることは自明である。早速、それを見越してロシアが動き出している。宗谷海峡にロシアの軍艦か何かが現れ、大規模な軍事演習を初め、挑発的な軍事行動を繰り返し始めたようである。おそらく、ロシアは、野田新政権が、何も対応できないだろうことを見越しているのである。こうなれば、北方領土返還など夢のまた夢である。産経新聞が次のように伝えている。

ロシア艦艇4隻が宗谷海峡通過 周辺に20隻も次々に… 日本の外交姿勢を瀬踏みか 2011.9.10 01:35(産経新聞)

 防衛省は9日夜、ロシアの海軍艦艇4隻が北海道の北にある宗谷海峡を通過したと発表した。他に約20隻が宗谷海峡に向かい、10日未明までに一部が通過した。4隻がまとまって通過するのは異例であり、20隻以上の艦艇が宗谷海峡を通過すれば過去最大規模となる。8日に空軍の長距離爆撃機TU95が日本を1周したのに続き、海軍も露骨な挑発行為に出たことは、ロシアが野田佳彦内閣の主権意識や外交姿勢を瀬踏みしている公算が大きい。

産経新聞の指摘する通りだろう。日本の新政府の権力基盤の脆弱さと権力構造の不安定性を熟知するが故に、日本側の対応を甘く見ているということであり、さらに野田新政権の外交姿勢の様子をうかがっているということだろう。おそらく、日本側の対応次第では、ロシア側の日本に対する軍事的挑発はさらにエスカレートするだろう。北にロシアが接近してくるとすれば、南ではも中国が接近しつつあるし、西には韓国の軍事的威嚇が続いている。「日本海、波高し」である。何故、こういうことになるのか。簡単である。日本という国家とその国土が、軍事的な空白地帯になっているからである。ロシア側の軍事行動の内実について。

 防衛省によると、9日午前1時ごろ、ロシア海軍のグリシャV級小型フリゲート艦3隻とアルタイ級補給艦1隻の計4隻が宗谷岬の西南西約250キロの日本海を北東方向に航行しているのを海上自衛隊のP3C哨戒機が確認した。自衛隊がアルタイ級補給艦を確認したのは初めて。

 4隻は午後4時ごろ、日本海から宗谷岬樺太の間の宗谷海峡を通過し、オホーツク海に抜けた。ロシアは北海道北東部の日本領空に接近する形で訓練空域を設定しており、4隻ともその空域の下を航行した。

 さらに駆逐艦フリゲート艦など約20隻の海軍艦艇が日本海北東部を宗谷海峡に向かって東へ航行しているのが確認されており、10日中に大半が海峡を通過するとみられている。

 ロシアは千島列島周辺とカムチャツカ半島東側の沖合で3カ所に射撃の訓練海域を設定している。9日にはロシア国防省が今月中旬からカムチャツカ半島付近で大規模な海上軍事演習を実施すると発表。最大で1万人の兵員、50以上の艦艇と航空機が参加し、対潜哨戒訓練や海兵隊の上陸訓練などを行う予定で、宗谷海峡を通過する艦艇も訓練に加わるとみられる。

 ロシア艦艇の宗谷海峡通過は、昨年11月にデルタIII級原子力潜水艦と、バクラザン級救難曳船(えいせん)の計2隻が通過して以来となる。

 昨年は9月と10月にもロシア艦艇が宗谷海峡を通過した。9月はロプチャーII級戦車揚陸艦1隻、10月はウダロイI級ミサイル巡洋艦とロプチャーII級戦車揚陸艦の計2隻だった。


軍事演習、軍事訓練とは何か。昨年、米軍が、韓国と共同して、北朝鮮近海で軍事演習を繰り広げ、それに対して北朝鮮が、威嚇攻撃したことを思い出すまでもなく、軍事演習とは「力の誇示」以外の何物でもない。恐れおののき、引き籠るか、それとも毅然として排除・撃退するか、どちらかしかないが、しかし野田新政権は、何も出来ないだろう。さて、僕は二三日前、日大芸術学部の「林芙美子研究チーム」の一員としてベトナム研究取材旅行から帰国したばかりだが、僕が最大の関心を持ってベトナム旅行に赴いたのは、林芙美子の南方紀行取材はもちろんだが、それ以上に「ベトナム戦争とその後」がどうなっているかという問題だった。「ベトナム戦争世代」ともいうべき我々の世代は、よかれあしかれ、あるいは多かれ少なかれ、ベトナム戦争にかかわる話題なら事欠かない。中でも、僕にとって記憶に鮮明な事件は、米軍がベトコンに追い詰められ、ついにサイゴン(ホーチミン)から逃げ出し、全面的に撤退した日のことである。言い換えれば、ベトナム民衆は、この日、侵略軍としての米軍とその手先となって民衆を弾圧・虐殺してきたサイゴン政府、つまのり南ベトナム傀儡政権を打倒し、排撃・追放に成功したのである。そしてそれと同時に、ベトナム難民、ボートピープル枯葉剤、畸形児・・・などの言葉が世界中で話題になったのである。僕は、せっかくのベトナム旅行なのだから、「ベトナム戦争とその影」を、この目で確認したいと思った。(続く)


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