文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

暴力独占機関としての国家……カダフィは、何故、しぶといのか?

先の日曜日の朝、藤原帰一という東大法学部教授(政治学)が、テレビ朝日の報道番組で「追い詰められたカダフィは自殺するしかない」と断言(予言)していたが、どうも事態は東大教授あたりの「占い」(?)等が簡単に通用するはずはなく、もっと複雑怪奇で、なかなかカダフィは自殺しないというより、あらゆる手段を行使して権力維持に勤め、昨日あたりは反政府勢力(反政府軍)に占拠されていた都市を爆撃し、次第に奪還しつつあるようだ。これを受けてアメリカやイギリスを初めとする欧米先進国、そして国連は、カダフィの資産凍結による封じ込めと国際圧力によってカダフィ政権転覆とカダフィ追放を画策し始めているが、これからどうなるのか、予断を許さない。何故、カダフィはしぶといのか。民衆革命が成功したかに見えるチュニジアやエジプトと、リビアやイランとは同じではない。リビアやイランは明らかに「革命政権」である。従って革命を防衛するためには民衆であろうとも、それに銃口を向けることに躊躇しないのは当然だろう。特にカダフィ率いるリビア政権の行動は、国家というものが、暴力の独占装置であることを知るためのいい勉強材料となる。リビア政府軍は、反政府勢力の武器庫を爆撃し、反政府勢力の武器・弾薬が底をつき始めているという情報もある。一部の反政府勢力は、外国からの武器支援や軍事支援を求めているらしい。「凶悪な独裁者」と「善良なる民衆の民主化デモ」という二項対立の図式では解けない謎がそこには潜んでいる。ムバラクは民衆デモに銃を向けることが出来なかったが、カダフィはそれを躊躇していない。何故か。イランやリビアが革命政権であるとは、親英米政権を打倒した、つまり独立戦争を勝ち抜いた反英米自立政権であるということだ。この謎が、テレビタレント化した藤原帰一という東大法学部教授(政治学)ごときにわかるはずがない。翻って日本について考えてみる。「小沢一郎追放劇」の芝居を描いているのは誰か。菅直人仙谷由人等であろうはずがない。むろん、自民党議員やマスコミであるはずもない。小沢一郎が、ひそかに脱米自立国、あるいは反米独立国・日本を目指していることは明らかだろう。日本が米国の植民地支配の枠組みから独り立ちし、文字通り独立するためには、何が、あるいはどういう指導者が必要なのか。あらためて考えてみるべきだ。小沢事件を「記者クラブ制度」問題や「米国陰謀論」等に矮小化するなかれ。問題は、あくまでも我々自身の思想的能力なのだ。

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