文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「日本テレビ」を創った「ジャパン・ロビー」の正体

日本テレビ」創設にかかわった人物は、CIA関係者を筆頭に実に多岐にわたっているが、その中に、あまり一般的には馴染みはないかもしれないが、「ジャパン・ロビー」と言われる米国人グループが存在したことが知られている。では、その「ジャパン・ロビー」とは、いったい、何ものなのか。その中核の人物は、誰なのか。戦前、約10年間、駐日アメリカ大使を務めたジョセフ・グルーが中心人物と言われ、ほかのメンバーは、グルーの右腕・ユージン・H・ドゥマン、あるいはグルーより前の駐日大使ウイリアムR・キャッスル、『ニューズウィーク』の海外レポーターのハリー・カーン…という人たちで、彼等は、戦前からの知日派で、長期の日本滞在を通じて日本の財閥や政治家、官僚に人脈を築くと同時に、アメリカの財界や政界、CIAにも影響力を持ち、戦後になると日本占領政策を左右するほどの力を持っていた。占領が終わった後も、吉田茂以後、影のキングメーカーとして日本政界に君臨し、政治的に大きな影響力を持つていたが、しかし実態はあくまでも民間人のグループであり、反共を旗印とする一種のシンクタンク的なボランティア・グループだった。彼らの目的は、戦前から一貫して、日本の共産主義化を防ぎ、日本を共産主義の防波堤とすることだった。従って、日本の満州進出にも反対ではなかったし、むしろ日本の満州建国が共産主義の膨張を満州で防止していたが故に、日本の海外膨張政策を擁護していた。つまり、彼等は、戦前から熱心に日米宥和を説き、開戦後も、早期停戦へ向けて様々な工作活動を、アメリカ政府に対して働きかけていた。要するに、日本への無知から日米開戦を決意し、原爆を投下したルーズベルトトルーマン等の報復的な対日政策に反対していた。マッカーサーを中心とする日本占領政策の中心勢力GHQグループとは、その思想を若干、異にしていたのである。言い換えれば、彼等は、天皇擁護派であり、「マッカーサーに圧力をかけ、彼に『逆コース』をとらせた政策集団」(有馬哲夫『日本テレビとCIA』P73)であり、もともと彼等は、日米開戦にも、公職追放財閥解体にも反対だったのである。つまり聖彼らの中心思想は、反共産主義であり、その政策は共産主義封じ込めであった。彼等が「日本テレビ」創設に熱心に協力したのは、日本テレビを通じて、日本国民に対して反共産主義の「対日心理戦」を仕掛けるためであった。しかし、彼らの究極の目的はアメリカの国益であり、アメリカの安全と平和であり、日本のそれではなかった。つまり、日本を、アメリカの国益と安全を守るための防波堤にすることが、彼らの最終目的だった。従って、彼等は、自分たちに不利益になることや安全が危機に瀕することになれば、たちどころに、それを排除し、弾圧するべくあらゆる人脈や資金を駆使し、工作活動をすることになる。おそらく、「政権交代」前後に起きた二度の「小沢事件」なるものは、彼らが危機感を強く抱いたが故に起こされた事件だったろう。日本国民の眼に、「検察の暴走」と「マスコミのリーク報道」が明らかになった今回の「小沢事件」は、同時に検察もマスコミも、未だに彼らの影響下にあることを示したと言わなければならない。

 

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