文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

鈴木宗男氏の怒りとその「検察・マスコミ」批判の論理。


世紀の大事件に発展するのではないかと思われていた、いわゆる「小沢事件」なるものの捜査は、四日、「小沢不起訴」、「石川議員、大久保秘書、池田秘書の『政治資金規正法違反(虚偽記載)』による起訴」ということで一応の決着を見たようだが、そして逮捕・拘禁されていた三氏も、翌五日に、保釈されたこともあって、マスコミの大騒ぎも一段落し、国民の間から沸き起こりつつあった「検察の暴走」批判や、「検察リーク報道」を繰り返す「マスコミ」批判の声も沈静化に向かい始めたかに見えるわけだが、しかし、この「小沢事件」は、単に小沢一郎という政治家の問題や、政治資金規正法の問題に留まるような問題ではなく、政権交代に伴う「民主党政権つぶし」という高度に政治的な問題、つまり「東京地検特捜部とは何か」、あるいは「マスコミとは何か」というような深刻な現代日本の病巣が露呈してきた事件なわけだから、そのまま一件落着ということで見過ごし、この小沢事件の本質を忘れていいわけない。というわけで、この「小沢事件」は、普段、あまり考えることのない「検察」と「マスコミ」という、われわれ国民の大多数にとって、「正義の味方」役を演じていると思われている組織の政治性と犯罪性と、そしてその病巣を暴露することになった事件だったわけだが、この一連の騒動のなかで、衆議院議員という現役政治家の立場から、またすでに東京地検特捜部に政局がらみの策謀によって狙われ、逮捕され、しかも現在も裁判中という経験を持つ立場から、一貫して検察とマスコミを批判・抗議し続け、特に検察に対して身体を張って「全面対決」を主導し続けてきたのが鈴木宗男氏であった。鈴木宗男氏がいなければ、この事件の行方は、もっと違ったものになっていたであろう。「民主党大会」における、「みなさん、誰でも、検察に狙われたらおしまいですよ…」という鈴木宗男氏の検察との「全面対決演説」と、検察に批判的なジャーナリストが結集した「フォーラム神保町」シンポジウムでの演説は、後世にも残るような、この事件を象徴する名演説だった。ところで、その鈴木氏が、「小沢不起訴」「石川その他の起訴」に至った検察と、その前後のマスコミ報道について、個人ブログ「ムネオ日記」で重要な批判を展開しているので、ここにも引用しておきたい。僕は、この記事に現われている鈴木宗男氏の怒りを共有し、その「検察・マスコミ連合」批判の論理を熱烈に支持・応援するものである。


http://www.muneo.gr.jp/html/page001.html

2010年2月5日(金) 鈴 木 宗 男


 小沢幹事長不起訴、石川代議士ら3人起訴がテレビ、新聞等のメディアが大きく取り上げている。
 その中で、「検察は国民に説明を 土地購入原資明示せず」という東京新聞1面記事に目がとまる。読者の皆さんにも、是非とも冒頭部分に目を通して戴きたい。

 東京地検特捜部は石川知裕ら3人を起訴 小沢一郎民主党幹事長を不起訴として、小沢氏の資金管理団体をめぐる捜査を終結した。特捜部長は『土地購入の原資の隠ぺいを図った犯罪だ』と明言しながら、原資を明示しなかった。事件の核心部分を公表せず、『実質犯だ』と事件の悪質性を強調しても、これでは国民の納得は得られまい。


と書かれている。
 佐久間特捜部長は記者会見で、「原資は解明できたのか」との問いに、「原資が何も分かっていなければ、起訴とならない。(土地代金の原資となった)4億円は、陸山会の前に一度、小沢議員に帰属している。どういうカネかは公判で明らかにする」と答えている。「この4億円は、一部はゼネコンからのものか」との問いに、「それは言えない」と答えている(読売新聞31面より)。
 ゼネコンからの不正な金、裏金だとさんざんリークし、報道させておきながら、なぜこの点を明らかにできなかったのか。一方的な頭づくりで、間違った情報、先入観でスタートしたのではないか。
 起訴された石川議員は昨夜、弁護士を通じ、次のコメントを出している。

 一部に報道されるような不正な資金を受け取ったことは断じてないことを誓います。


 石川議員はここまではっきりと言い切り、小沢幹事長もゼネコンからの不正なお金は受け取っていないと終始断言してきた。これについての説明を検察がしないところに、検察に対する不信感が募ってくるところである。
 検察官といえども神様ではない。間違った判断、思いこみもあるだろう。
 ここは潔さを示し、説明責任をしっかり果たして戴きたい。何よりも、検察官である前に人間としての心をもって、その職責を全うしてほしいものである。
 河上和雄東京地検特捜部長・最高検公判部長は、「今後も臆せず政界捜査を」と、読売新聞10面で語っている。
 特捜は政治家を捜査するためにあるのか。何を考えているのかと言いたい。
 この様な頭づくりだから冤罪が起きるのである。この河上某(なにがし)は、私が逮捕される直前もその後も、「鈴木は選挙区では人気がない。政治家としての復活はない」と、テレビで堂々と言い放っていた。お会いする機会があるならば、何を基準に、何を基に、何の資格で、公の電波でそんなことを言うのかとお尋ねしたいものである。
 民主主義は信用、信頼関係が一番である。権力を背景に、権力をカサに着て生き、今もそれにすがって生きている者と、額に汗し、声なき声を背に生きてきた者との差を感じながら、思い上がって生きている者と、叩かれながらも正直に生きている者と、どちらの人生が良かったのか、お天道様が見てくれているとしみじみ思うものである。
 もう一点、今日の新聞で指摘したいことがある。
 今日の産経新聞1面に、近藤豊和社会部長の「ほくそ笑むのはまだ早い」という見出し記事がある。その最後の方に、次の様に書かれている。

 小沢氏の不起訴の観測が一気に拡大した2日夜。小沢氏側関係者たちは早くも「勝利宣言」をあちこちでし始めていた。この日昼、衆院本会議場で鈴木宗男衆院議員とほくそ笑む小沢氏の姿を報道各社のカメラがとらえていた。

 この社会部長にお尋ねしたい。あなた達が産経新聞誌上で、水谷建設から小沢幹事長へお金が行っていた書いたことは正しかったのかと。


産経新聞の見出し例

水谷建設から「裏献金」の3日後 石川容疑者 5000万円口座へ

(1月17日付 29面)

水谷建設経理幹部 「裏金1億円用意」 小沢事務所あてと指示

(1月26日 23面)

水谷建設献金 授受現場に同席者 「紙袋渡すの見た」証言

(1月27日付 27面)



 上の見出しに見れば明らかな様に、産経新聞は裏付けのとれないリークを鵜呑みにし、最初から「小沢たたき」のスタンスであった。間違いは間違いであったと、潔さを見せるべきではないか。それから、批判するならば批判すれば良い。自分達のフライング、ミスは棚におき、すり替えの議論をするのはもってのほかである。
 今回の事件によって、同じ会社であっても政治部と社会部の価値観は全く違うものであることを、改めて知るものである。お互い冷静に見つめていきたいものだ。
 17時50分、保釈された石川代議士から連絡が入った。とても元気な声で安心した。
 その話の中で、「水谷建設の人がいれば、ぶん殴ってやりたい」いい加減な調書を検察の誘導に乗って作られ、大変な目にあった。頭からウソ話に乗り、取調べをした検事もとんでもない」と憤っていた。
 密室での取調べ、しかも虚偽の自白を強要する検察のやり方は私も8年前に経験しているので、石川代議士の気持ちが良くわかる。改めて、個々は検察の名誉のためにも、取調べの全面可視化が必要であるとしみじみ思うものである。(以下略)



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