文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

佐藤優氏の「天皇特例会見」論・・・・「羽毛田信吾宮内庁長官は尊皇のまこと心をもっているのだろうか?」


以下は、佐藤優氏の論考です。佐藤氏は、一連の騒動を、官僚と国会議員との「誰が日本国家の主人か」をめぐる権力闘争(官僚の下克上)と捉えています。

[投稿情報] 2009年12月16日 03:24:16
お名前 : 佐藤優
性別 : 男
都道府県 : 東京都

■メッセージ
山崎行太郎先生
 天皇陛下に対する助言を行う主体を巡って、能力を
基準に任命された官僚群と国民によって選出された国
会議員の間で、「誰が日本国家の主人か」という権力
闘争が展開されているのだと私は見ています。
 天皇陛下を政治問題に巻き込んだのは、羽毛田信吾
宮内庁長官であることは明白です。宮内庁官僚による
内閣総理大臣に対する下克上が行われようとしている
のだと思います。日本の國體護持の立場から、官僚の
下克上を許してはならないと思います。
 ライブドアニュースに寄稿した拙稿を御参考までに
添付します。
 2009年12月16日 佐藤優

ライブドアニュース
佐藤優の眼光紙背(第64回)
羽毛田信吾宮内庁長官は尊皇のまこと心をもっているのだろうか?」
(仮題)




 日本の国家体制の根幹に影響を与えうる深刻な出来
事が生じた。
 12月11日、羽毛田信吾宮内庁長官が、天皇陛下
と中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席の会見
が決まった経緯に関して、<今回、外務省を通じて内々
宮内庁の窓口に打診をされてきたのは1カ月を切っ
た段階でしたから、ルールに照らし、お断りをした。
その後、官房長官から、ルールは理解するが日中関係
の重要性にかんがみてぜひお願いするという要請があ
り、私としては、政治的に重要な国だとかにかかわら
ずやってきたのだからぜひルールを尊重していただき
たいと申し上げました。/その後、再度、官房長官
ら、総理の指示を受けての要請という前提でお話があ
りました。そうなると、宮内庁も内閣の一翼をしめる
政府機関である以上、総理の補佐役である官房長官
指示には従うべき立場。大変異例なことではあります
が陛下にお願いした。が、こういったことは二度とあ
ってほしくないというのが私の切なる願いです。>(1
2月12日asahi.com)。
 その後、天皇陛下を政治利用したという世論の激し
い非難が、鳩山由紀夫総理と小沢一郎民主党幹事長に
対して向けられている。筆者は、日本は中国に対して
過剰サービスをするべきではないと考える。従って、
習近平氏に対しても、もう少し淡々とした対応をとっ
た方がいいと思う。ただし、日本外務省の中国専門家
は異なる判断をしたのであろう。今回、生じた問題
は、この中国要人の処遇を巡る問題とは位相を異にす
るところにあると筆者は考える。
 そもそも羽毛田長官がいう1カ月ルールなどという
ものが、どのような根拠によって定められたものなの
だろうか? 宮内庁官僚が定めたものではないのか?
 天皇陛下との会見は、外交儀礼上、きわめて重要
だ。急に組み込まれる外交日程はいくらでもある。公
式晩餐会ならば、事前の準備や案内もあるので、突
然、日程を組み込むことができないのは当然だ。しか
し、会見について1カ月ルールを定め、外交の手足を
縛ること自体がきわめて政治的行為であることに羽毛
田氏は気づいていないようだ。
 羽毛田宮内庁長官が、尊皇のまこと心をもって天皇
陛下をお守りしているのかどうかということが問われ
ているのだ。習近平氏の会見を受けるべきでないと羽
毛田長官が職業的良心に基づいて考えるならば、「私
はそのようなお願いをすることはできません。どうし
てもというならば、私を解任してください」と言って
頑張るべきだ。そして、解任されても、言い訳をせず
に静かに去っていくべきと思う。身を挺して、天皇
下が政治の嵐に巻き込まれないようにすることが宮内
庁職員の仕事ではないか。羽毛田長官が経緯説明とい
う名目で記者会見を行ったことによって、天皇陛下
政治問題に巻き込まれてしまったというのが真相だ。
 14日、<民主党小沢一郎幹事長が、宮内庁の羽毛
田信吾長官の発言を「辞表を出してから言うべき」と
批判した>(12月14日産経新聞電子版)が、当然の
ことと思う。羽毛田氏は、選挙で選ばれた政治家では
なく、内閣によって任命された官僚だ。鈴木宗男衆議
院外務委員長が<私は陛下のご了解を戴いたのにもかか
わらず、その日程のやり取りを表沙汰にした羽毛田宮
内庁長官は尊皇精神に欠けていると言いたい。陛下の
ご健康、ご体調を軽々に平場で口に出すのはいかがな
ものか>(12月1日付ブログ「ムネオの日記」)と述
べているが、その通りと思う。
 小沢氏の対応に問題があると考えるならば、国民は
次の選挙で、小沢氏並びに同氏と考え方を同じくする
民主党の議員を落選させるという形で、影響を行使す
ることができる。これに対して、羽毛田宮内庁長官
はじめとする官僚は、身分保障がなされているので、
国民の力によって排除することはできない。南北朝
代、北畠親房楠木正成など南朝の忠臣は身を挺して
後醍醐天皇をお守りした。この精神で宮内庁職員は天
皇陛下をお守りすべきと思う。(2009年12月1
5日脱稿)




★人気ブログランキング★
に参加しています。一日一回、クリックを…よろしくお願いします。尚、引き続き「コメント」も募集しています。しかし、真摯な反対意見や反論は構いませんが、あまりにも悪質なコメント、誹謗中傷が目的のコメント、意味不明の警告文等は、アラシと判断して削除し、掲載しませんので、悪しからず。
人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ