文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

強力な民主党政権誕生。保守思想家・江藤淳先生が夢想した「小沢時代」の始まりか?


今回の選挙結果を見ての僕の感想は、自民党の大物議員は意外に強かったなー、ということだ。中川昭一を除いて、古賀誠鳩山邦夫森喜朗福田康夫…等は、「危ない」「危ない」という事前予想にもかかわらず、結果的には悠々と勝ち残っている。これに対して公明党は、太田代表を筆頭に北側幹事長など幹部が、揃って全滅した。これは、日頃、積み重ねてきた政治活動と実績が投票結果に結びついているということであり、言い換えるならば、やはり生活に密着した利益誘導型の自民党議員は、選挙に強いということだ。国民新党の綿貫党首や亀井幹事長も落選しているが、同じく国民新党亀井静香と異なり、彼等は生活に密着した利益誘導型の古い政治家ではなかったところに敗因があると見ていい。利益誘導というと、頭から否定的に解釈する人が多いが、利益誘導とは、富の再分配ということであり、それはそれなりに合理的なシステムなのである。選挙民は、意味もなく、「風に吹かれて」…右へ左へとふらついているわけではない。しっかりと、日頃の政治活動を見て、それを判断基準にして投票しているのである。民主党に吹いた「風」の根拠とは、「小沢一郎」主導の土着的、利益誘導型の「どぶ板選挙」運動がもたらしたものである。ということは、自民党が、利益誘導の基盤となる権力や利権を失ったことの意味は大きく、次回選挙での自民党への「風」は吹かないし、揺り戻しはありえないということだろう。選挙民は、政治評論家たちが言うほど、理由もなく、その時の「風」や「波」に熱狂しているわけではなく、政治や政治家を見る眼は、意外に冷静で、醒めているのだ。選挙民は、つまり日本国民は、「ギャンブル」なんぞをしているわけではない。「国民は黙って事変に処した」と小林秀雄は言ったが、「現実に起こるものは合理的なのである」(ヘーゲル)。西部邁のように、大衆や国民の言動を侮蔑して、「衆愚」だの、「衆愚政治」だのと言っていた似非文化人の口真似をして、大衆や国民を見下していた政治家が、現実を知らなかっただけであり、そういう政治家が、むしろ現実からしっぺ返しを食らっただけである。




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小沢一郎氏と江藤淳先生。




 

民主政権誕生へ=307議席獲得、9月中旬にも「鳩山内閣」−衆院選


 政権選択を最大の焦点とする第45回衆院選は30日投票、即日開票され、比例の1議席を除く議席が確定した。民主党過半数(241議席)をはるかに上回る307議席を獲得し、民主党中心の政権誕生が決まった。これに対し、自民党は公示前の300議席から激減、119議席に落ち込んだ。1955年の保守合同以来、最低議席の歴史的惨敗となり、麻生太郎首相は党総裁の辞任を表明した。公明党も8小選挙区すべてで候補者が落選するなど、公示前から10議席減の21議席の敗北を喫した。民主党鳩山由紀夫代表は9月中旬にも召集見通しの特別国会で首相指名を受け、社民、国民新両党との連立内閣を発足させたい考えだ。
 共産党は今回も小選挙区議席が得られなかったが、比例で前回と同じ9議席を確保。社民党も公示前の7議席(選挙区3、比例4)を維持した。みんなの党は5議席を得た。国民新は3議席にとどまり、比例北信越綿貫民輔代表が落選。新党日本諸派新党大地も各1議席を得たが、改革クラブ議席を得られなかった。
 鳩山代表は31日未明に記者会見し「国民の怒りが民主党への期待に結び付いた。国民主役の政治に変えていく」と強調。社民、国民新両党との連立政権協議について「現体制でする」と明らかにした。
 これに先立ち、鳩山代表小沢一郎代表代行、岡田克也幹事長ら幹部が会談し、参院過半数に達していない状況を踏まえ、両党に連立協議を申し入れる方針を確認した。
 鳩山代表はまた、閣僚人事について「一部だけ(先行して)決めるのは念頭にない。一気に首相指名後に決める」と表明した。新体制では、選挙を陣頭指揮した小沢氏の処遇が大きな焦点だ。 
 政権交代は、非自民の8党派による細川政権が発足した93年の衆院選以来。野党が選挙の結果、第1党となって政権交代を果たすのは、社会党を中心とした47年の片山内閣以来、62年ぶりとなる。自民、公明両党の連立政権にも10年で終止符が打たれ、政界は新たな時代に入った。
 時事通信の集計によると、投票率は69.28%で、現行制度下では過去最高となった。
 民主党は、岩手、新潟、愛知など8県で議席を独占し、小選挙区で221議席自民党を圧倒した。比例でも86議席を獲得した。近畿では候補者が足りなくなり、2議席が他党に回った。
 自民党は岩手、秋田、新潟、長野、愛知、大分などの13県で全敗。小選挙区は64議席にとどまった。
 公明党は、東京12区の太田昭宏代表、大阪16区の北側一雄幹事長を含め8小選挙区で全敗した。
みんなの党も東海と近畿で、重複候補が比例復活の要件を満たせず、他党に議席を譲った。(2009/08/31-04:12)