文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「竹中平蔵・リチャード・クー」論争を読む。


昨日、サンプロの中で、竹中平蔵氏とリチャード・クー氏が、日米の景気動向や麻生政権の大型補正予算等について、かなりきわどい丁々発止の論争を展開していたが、日頃は持論をまくし立てる竹中氏が、終始、「バランスシート不況」「財政出動」を主張するリチャード・クー氏に押され気味で、口篭りがちだったことは、現在、竹中氏やその一派が置かれている政治状況から見て、当然のこととはいえ、近頃、珍しい光景であった。僕はあまりテレビを見ないので確言は出来ないが、僕の記憶では、リチャード・クー氏がテレビ番組に登場するのは久しぶりのような気がする。おそらく小泉純一郎政権成立後、構造改革論議や郵政民営化論議が終わり、すべての経済政策が竹中平蔵ペースで強引に推し進められ始めた頃から、リチャード・クー氏は、植草一秀氏等とともに、ほとんどテレビ番組からは消えていたのではないだろうか。少なくとも、僕が、サンプロあたりで、リチャード・クー氏の顔を見るのは、何年かぶりだった。麻生自民党の経済政策の大幅な方向転換は明らかだろう。ちなみにリチャード・クー氏は、麻生政権の経済政策の指南役の役割を任されているらしい。ということは、麻生政権の大型補正予算案に、リチャード・クー氏の意見が反映しているとみて間違いはない。竹中平蔵氏は、いつもの通り「構造改革が進まないから日本経済は落ち込むのだ」と主張していたが、それに対してもリチャード・クー氏が真っ向から反論していた。僕は、竹中平蔵氏の言い分もそれなりに認めたうえで言うのだが、やはり構造改革にしろ、財政出動にしろ、あるいは財源問題にせよ、一方的な政府見解の押し付けや宣伝ではなく、それぞれの政策について真剣な議論や論争が行われることは、必要不可欠だと思う。竹中平蔵氏が、小泉純一郎元首相の後押しで、経済政策の実権を握っていた時代には、議論も論争も抑圧されていた。たとえば植草氏が、謀略的なスキャンダルを仕掛けられて経済論壇や経済ジャーナリズムから追放されたことが象徴的に現しているように、またリチャード・クー氏がテレビから消されたことが象徴するように、誰が、どう見ても、小泉・竹中時代は、異常な時代だったということが出来る。ともあれ、リチャード・クー氏の再登場を喜びたい。いかなる経済政策をとるにせよ、少なくとも自由闊達な議論や論争を経た上でやるべきで、やはり、経済政策に限らず、「万機公論に決すべし」と言うことだろう。小泉・竹中改革の最大の政治犯罪は、議論や論争を、政治権力や警察・司法権力を行使して、抑圧したことだろう。



★人気ブログランキング★に参加しています。一日一回、クリックを。
ご支援、よろしくお願いします。
(↓↓↓)
人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ