文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

「マンガ右翼・小林よしのりへの退場勧告」を、「部落解放」四月号から、三回連載を開始しました。

「部落解放」という、どちらかと言えば左翼系の月刊雑誌があるらしいということは知っていたが、現実問題としてその雑誌を手にしたことも、もちろん読んだこともなかった、というのが実情なのだが、そういう僕とは思想的にも無縁な、というより思想的には対立していると思われる雑誌に、四月号から、三回連載を開始するというのだから、我ながら驚きである。とはいえ、小林よしのりや西部ススム、あるいは桜井よしこ等に象徴される、昨今の保守思想の劣化と堕落、あるいは保守論壇の硬直化を考えるならば、むしろ左右の思想的対立や垣根を越えて、左右どちらであれ、自由な表現活動の場を開拓していくことも当然のことかもしれない。さて、僕が、「部落解放」四月号から三回、連載するのは「マンガ右翼・小林よしのりへの退場勧告」というコラムだが、そこで僕が批判したいことは、「小林よしのり」個人の思想的言動への批判ではなく、「小林よしのり的なもの」とでも呼ぶべき昨今の保守思想や保守論壇への批判である。僕は、以前から、「くだらない保守より、優れた左翼を評価するし、学ぶべきものも優れた左翼の方に多い。」と、半ば冗談で言ってきたが、いよいよ、それが現実になりつつあると言わなければならない。さて、小林よしのりのことだが、小林は、沖縄集団自決問題を中途半端なまま投げだし、その後、チベット問題、アイヌ問題に取り組んでいるが、その中身の粗雑さと、学問的、思想的間違いの多さを指摘されたことが理由かどうかわからないが、これまた、いかなる事情があるにせよ、無責任にも、あっさり投げだし、現在は、とうとう「天皇論」に取り組んでいるようだが、この「天皇論」もまた、父親が共産党員で、昭和天皇の物真似をして一家で笑い転げていたという、幼少時代の家庭事情があるにせよ、まったくいい加減なもので、学問的に考えるまでもなく、間違いが少なくない。小林は、この「天皇論」を書籍化する時には、専門家(高森某?)にチェックしてもらう予定だと予告しているが、この予告自体が、小林の「天皇論」の学問的、思想的な「いかがわしさ」を象徴していると言わなければならない。僕が、「マンガ右翼・小林よしのりへの退場勧告」連載コラムで言いたいことは、まさしく、チベット論やアイヌ論を、恥も外聞もなく途中で投げ出したり、「書籍化する時には、専門家にチェックしてもらう…」というような、要するに「小林よしのり的なもの」に象徴される「保守の思想的劣化と堕落、あるいは保守論壇の硬直化」ということである。



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