文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

詐欺商法としての自費出版ビジネス???

にほんブログ村 政治ブログへ←この記事にピーンときたら、ワン・クリック、お願いします!



昨日、たまたまテレビ・ニュースを見ていて、「自費出版詐欺ビジネス」が話題になっているシーンにちょっとギクリとした。被害者数名が、「契約とは違う」「騙された」という理由で「自費出版ビジネス」業者を告訴したというのである。僕もカルチャーセンターなどで教えている関係で、「自費出版ビジネス」と間接的ではあるが、向き合うことが少なくない。僕は、自分の教え子には、自費出版を勧めてはいないが、それでも自費出版に関心を示す人は少なくない。そういう人にまで、「やめなさい」という気はない。一生に一度だけでも、自分の著書(本)を持ちたいという欲望を全面的に否定することには無理があるからだ。自費出版と言えば、「自費出版ビジネスでビルが建つ……」と言われているほど盛況を極めているらしい新しい業界だが、盛況の裏で問題がないわけでもないようだ。「自費出版詐欺ビジネス」と言えば、「あなたの原稿を本にします」とかいうコピーでお馴染みだが、具体的に言えば文芸社新風舎…などがそういう業者として有名だが、いずれの会社も予想通りにトラブルを抱えているようだ。自社主催の「新人文学賞」の誇大宣伝でお客を集め、そのお客を、片っ端から「協同出版」とかなんとかいう怪しげな名目で、自費出版に勧誘する詐欺まがいの悪徳商法である。したがって、契約どおりに書店などで発売してくれないとか、契約金が高すぎるとか、当然と言えば当然の問題が発生しているようだが、こういう実例から、僕は、自費出版ビジネス側が一方的に「悪徳業者」で、客としての執筆者がすべて「被害者で善玉」という見方にも無理があると思う。詐欺まがいの自費出版商法を擁護する気はさらさらないが、そんなに単純な話でもないだろうと思う。「自費出版詐欺ビジネス」(笑)が盛況なのは、「本を出したい」という大衆の欲望があるからであり、その大衆の欲望をうまく掴んだのが「自費出版ビジネス」であるのに対して、逆に大手出版社がその大衆の欲望を吸い上げることに失敗しているということだろう。粗製乱造の自費出版ビジネスを、古典的な出版概念で批判罵倒することは容易だが、批判罵倒だけでは既存の大手出版社が直面している構造的な問題の解決にはならない。ここには、東浩紀が指摘している情報の一方通行型「コンテンツ系メディア」と、双方向性型「インフォメーション系メディア」の構造的対立という、現代文明が直面している情報環境の革命という根本的な問題も潜んでいるはずだ。むろん、「自費出版ビジネス」が双方向性型「インフォメーション系メディア」系であることは言うまでもないだろう。「本を出したいと思っている素人から高い金を巻き上げる悪徳商法」という告発の論理は、必ずしも正しくない。こういう論理では、双方向性型「インフォメーション系メディア」としての「自費出版ビジネス」の盛況の意味が正確に捉えられてはいないだろうと思う。さて、僕は、自費出版そのものには必ずしも批判的ではないし、文学史を振り返るまでもなく自費出版で成功した例は少なくない。むろん、短歌集や俳句集、あるいは詩集等はほとんど自費出版である。出版界には、一見、自費出版ではないかのように見えるが、実は自費出版だったという例も、学術書等を中心に少なくない。要するに、「自費出版ビジネス」を抜きに文学や学問の歴史は語れないのである。しかし、そうは言ってもやはり、最近、急速に台頭し拡大しつつある、詐欺まがいの「自費出版ビジネス」は、そういう古典的自費出版とは同じ自費出版とは言いながら、本質的にその社会的意味は違っているはずだ。それは、「文学の停滞」「小説の終焉」「文壇や論壇の崩壊」といった議論とも無縁ではない。僕は、文藝出版は、いずれ「自費出版の時代」が来るかもしれないとさえ思っていたこともある。むろん、大手出版社が運営する有名な文学賞を受賞してその大手出版社から豪華な本を出す…というのが出版の定番であり、小説家志望者や本を出したい人にとってもそれが理想かもしれないが、それだからと言って、自費出版というシステムを一方的に批判し否定する気にはならない。特に、最近は、大手出版社が出す豪華な本に限って、まったく売れないと言われ続けている。売れないから質も低下した、と言うつもりはないが、「売れない」という言葉が業界人の合言葉になるほどに「売れない」ということは、そこに何か根本的な問題があるはずである。大手出版社の豪華なハードカバーの本が売れないと言われている一方では、自費出版もどきの軽装の安っぽい本が爆発的に売れているという情報もある。以前も書いたが、たとえば、ケイタイ小説やライトノベル、ゲーム小説……等の売れ方は半端ではないらしい。ここには、解明すべき問題はないのか。ところで、僕は、「自費出版サギビジネス」批判は当然だと思うが、この批判の中には、「テレビや新聞、雑誌」というコンテンツ系メディアによる、「ネットやブログ」などのコミュニケーション系メディアに対する批判と同じ種類のものが含まれていてると思う。おそらく、自費出版メディアの台頭と拡大をもっとも恐れているのは大手出版社だろう。 



自費出版ビジネスへの批判。
http://ourbooks.web.fc2.com/
http://www.janjan.jp/media/0701/0701148009/1.php
http://search.janjan.jp/search?q=%90V%95%97%8E%C9&site=fsi_testcoll&client=fsi_test&proxystylesheet=fsi_test&output=xml_no_dtd&ie=sjis&oe=sjis


==============================================
自費出版でトラブル相次ぐ「本屋に並ぶと思ったのに」
2007年07月04日17時53分



 「全国に広く流通」「全国の書店から注文できる」などとうたった自費出版ビジネスをめぐり、著者と出版社の間でトラブルが持ち上がっている。著者のなかには「ほとんど店頭に並んでいない」と不満を訴える人もいる。4日午前、3人の著者らが、「本が店頭に並ぶと誤解させられて契約した」として、大手自費出版社を相手取り、出版代金計約800万円の賠償などを求めて東京地裁に提訴した。


自費出版した作品を広げる徳島県の男性。全国のはずが地元の書店などにしか並ばなかった
 流通する自費出版をめぐっては、約10年前に年間数百点規模だった出版点数が、06年に年間4000点を超えるなど、市場は拡大している。インターネットの普及や「団塊の世代」の大量定年で、自己表現の場を求める人が増えているためだが、出版が増えるに連れ、営業や勧誘手法に疑問の声が上がるようになった。

 自費出版は、自分史や小説、画集などを自費製作し、身近な人に配ることが多い。一方、流通版では、著者が出版費用を負担するのは同じだが、取次業者を通して書店の注文に応じて配本されたり、書店に置かれた専用棚に並んだりする。

 流通する自費出版を担う出版社は出版相談会や、賞を受賞すると無料で出版できるコンテストを開いて出版作品を募っている。書店への営業や広告宣伝をする分、やや割高で、500部製作で、100万〜200万円が相場だ。

 原告の一人、徳島県の30歳代の男性は05年夏、この自費出版社のコンテストに応募。落選後の同年末に勧誘を受け、約150万円で500部を出版する契約を結んだ。翌夏、写真とイラストを組み合わせたアート集を出版したが、都内などの出版社の直営店のほか、地元百貨店内の書店など3店に並んだだけだった。

 男性は「東京や大阪など大都市圏の書店に並ぶと思ったからこそ出版契約を結んだ。そうでなければ契約はしていない」と不満を訴える。

 同社はコンテストの落選者にも自費出版を持ちかけることがあると明示しているが、落選作品に褒め言葉を並べる営業手法に疑問の声もある。

 滋賀県に住む別の男性は昨夏、写真コンテストに応募・落選した後に出版の勧誘を受けた。「営業担当者から『こんないい写真は手放したくない』とおだてられ、舞い上がってしまった」。男性は昨年末に500部製作の出版契約を結び、手付金の100万円を支払ったが、出版社側の流通方法への説明に不信感を抱き、契約取り消しを求めている。

 元社員も「コンテストの応募者には、『表現がすばらしい』『発想がユニーク』などと褒め言葉を並べて出版を持ちかけた」と打ち明ける。

 一方、この自費出版社の社長は「著者の舞台を広げることがうちのテーマで、ベストセラー作家になった人もいる。作品ごとに全国の書店に営業をしているが、全国の書店に並べるとは約束していない。コンテストは本を出したい人のための賞で、うちの本は自信を持って流通できるものばかりと思っている」と説明する。

 流通する自費出版をめぐっては、同じように書店に並ぶことを売り物にしていた業界大手の碧天舎(へきてんしゃ)が昨年春に多額の出版費用を集めて倒産。約250人の出版が頓挫するなどのトラブルも起きている。

 ■「売れるものは少数」納得して契約を

 〈出版ニュース社代表で東京女子大講師の清田義昭さんの話〉 自費出版はだれもが自由に表現できるメディアで、出版や言論の多様性を担保する意味で出版点数が増えているのはいいことだ。内容も絵本や小説、写真集など多様化している。ただ、書店に流通しても売れるものは限られている。著者は売れるものは少ないと認識し、出版社側はどの書店にも並ぶわけではないときちんと説明し、お互いが納得して出版契約を交わすべきだろう。

 http://www.asahi.com/culture/update/0704/TKY200707040328.html


■「ケータイ小説」について

ケータイ小説:女子中高生に人気 体験もとに刺激的場面も−今日の話題:
MSN毎日インタラクティブ

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070704k0000e040013000c.html

ケータイ小説:女子中高生に人気 体験もとに刺激的場面も


  小説を携帯電話の画面上で読んだり書いたりする「ケータイ小説」が、女子中・高校生を中心に人気を呼んでいる。

初めて小説を書いた無名の若者の作品が携帯を通して多くの読者を獲得し、出版されるとベストセラーになることも珍しくない。

「本を読まなくなった」と言われる、いまどきの若者を引きつける理由は?【佐々本浩材】

 6月に発表された日販の07年度上半期ベストセラー。

単行本フィクションの部で「赤い糸(上・下)」(著者・メイ、計100万部)と「もしもキミが。」(同・凛、40万部)が1、2位になるなど、ケータイ小説5冊が10位までに入り、関係者を驚かせた。

 ケータイ小説には出版社が運営し有名作家の作品が読める有料サイトもあるが、これらの作品が生まれたのは「魔法のiらんど」など、誰でも参加できる無料の携帯サイト。

ケータイ小説総合サイト魔法の図書館[魔法のiらんど] http://ip.tosp.co.jp/Portal/c.asp?i=BOK00MIL99

書き手、読者とも10代前半から20代前半が中心で、大半が女性だという。

サイトで人気を得た作品は書籍化される。

 先駆けはYoshiさんが00年に発表した「Deep Love」で、05年秋に「天使がくれたもの」(同・Chaco)が出版されるとブームに火がついた。

昨年のヒット作「恋空」(同・美嘉)はサイトで延べ1680万人が読み、本は上下巻で計100万部を突破した。

 内容は書き手の体験をもとにした一人称の恋愛小説が多く、「セックス」「妊娠」「レイプ」「死」「リストカット」など刺激的な場面が多い。

ほぼ1文ごとに改行され、場面描写は少ない。

 東京都内に住む中2の女子は「恋人が難病にかかるなど似通った展開が多いけれど、語り口が自然なのでつい引き込まれてしまう」と魅力を語る。



 書いているのはどんな人だろう。

上半期9位の「クリアネス」は、昨年始まった日本ケータイ小説大賞の大賞受賞作品。

筆者の十和(とわ)さんは大阪で働く26歳の女性。売春する女子大生と出張ホストの出会いを描いた。

実体験ではないが、「満たされていないという思い」を吐き出したかったという。

「悩み事を話してすっきりする感覚に近いかも」と打ち明ける。

 ケータイ小説も書く作家の内藤みかさん(36)は、ブームを「昔の交換日記のノリ。場が携帯に移り、多くの人が読めるようになった」と分析。

読者の感想などから▽本のようにかさばらない▽親や友人に見せられない内容をこっそり読める▽いつでもどこでも読める▽ベッドで照明をつけなくても読める−−などの利用方法が浮かぶ。

「手間を惜しむのが現代なんでしょう」と苦笑する。

 最近は男性の書き手も増え、サスペンスやホラーなど、恋愛以外のジャンルも増えている。



 ブームが過熱する中、過激な性描写などを懸念する声も出始めた。

子供のネット遊びを調査している群馬大の下田博次教授(情報メディア論)は「大人への反抗や性への過剰な興味など、思春期の子供に反社会性はつきものだ。

かつては大人がチェックできたが、ケータイ小説では難しい」と危惧(きぐ)する。

 また「ケータイを持ったサル」などの著書がある京都大霊長類研究所の正高信男教授(比較行動学)は「横並びが好きな日本人は、新聞などで周囲の情報を集めてきた。

今はケータイ小説新聞小説の代わりになっているのでは」と話す。

毎日新聞 2007年7月4日 10時16分 (最終更新時間 7月4日 10時33分)


                                                                                                                                                              • -


1位 携帯小説“恋空”

美嘉のホームページ[魔法のiらんど] 

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=hidamari_book

2位 Replicant・Lover's

Replicant・Lover’s[魔法のiらんど] 

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=R_lovers

3位 禁色 −KINJIKI−

つきのホームページ[魔法のiらんど] 

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=kinjikiTsuki

4位 蘭丸★物語の館

蘭丸★物語の館/『携帯小説 日記 掲示板(BBS) 全部無料』 

http://hp5.0zero.jp/60/ranmaru23/

5位 ??†+禁断りんご+†??

官能小説 禁断りんご〜罪は甘い蜜の味〜 

http://10.xmbs.jp/hasumi1225/

オススメ 恋愛小説ナビ

恋愛小説ナビ 

http://rknt.jp/koinavi/

ランダム RUI's HOME

RUI's Home[魔法のiらんど] 

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=xxxruiruixxx