文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

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安倍官邸・御用ジャーナリスト・屋山太郎への公開状。

dokuhebiniki2007-06-24


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■安倍官邸の「お雇い御用文化人」はこんな顔?■ →


遅ればせながら屋山太郎の「正論」(「社保庁問題は国鉄問題にそっくり」産経新聞)を読んだ。内容は以下の通り。安倍官邸の「お雇い情報工作員」(笑)の面目躍如というところだろう。安倍政権を窮地に追い込んだ「消えた年金」問題を、社保庁職員、つまり自治労の責任に責任転嫁しようという安倍官邸の情報謀略が、ここにも現れている。ということは、屋山太郎の情報源は明らかに安倍官邸であり、安倍官邸が「消えた年金」問題隠しをねらった情報工作の一環としてマスコミ関係に垂れ流している秘密情報だろう。屋山太郎の論理は、「安倍官邸は悪くない、悪いのは自治労だ、自治労が支援している民主党だ」という聞いているほうが、思わず噴出しそうな、恐るべき論理展開。最後には、「小沢一郎氏はこの自治労を選挙の手足にしているが、これではさながら「小沢自治労」だ。」なんて、言うことが滅茶苦茶である。屋山太郎は、ことあるごとに小泉構造改革を賛美し、擁護してきた典型的な権力に媚を売り続ける御用文化人だが、今回の安倍官邸の政治危機における発言には、御用文化人の体質が露骨に体現されている。官邸情報の垂れ流しばかりやってないで、屋山太郎も、ジャーナリストのはしくれだというのであれば、たまには、自分の足で調べ、自分の頭で考えてみたらどうか。もう遅いか。屋山太郎もこれで終りだろう。態度だけはデカイが、その精神はというと、権力にオベッカばかり使う卑屈なタイコモチ野郎…。たまには、まともな「本」でも書いてみろよ。 古本屋の100コーナーからさえ相手にされないような「クズ本」(笑)ばかり書かないで…さ。それにしてもこの程度の粗悪な御用文化人が、わが国の国政を担う政権政党自民党の中枢深くに食い込んでいるとは驚きであるが、やはり総理総裁の知的レベルに合わせて、御用文化人も取捨選択されるのであろうか。もっとましな御用文化人はいないのか…(笑)。自民党なら、せめて西部ススムや福田和也レベルの御用文化人ぐらいは用意してくれよ。ゴマスリとタイコマチしか能の無い新聞記者上がりの「政治漫談屋」なんかを御用文化人にして、官邸に出入りさせるのは止めてほしいね。

【正論】屋山太郎 社保庁問題は国鉄問題にそっくり
06/22 05:13

■全職員の賃金、3割カットせよ

 ≪組織腐敗の根源≫

 国会で毎日のように激しく論争されている年金5000万件記録洩れ問題は、完全に焦点がずれている。社保庁問題はかつての国鉄問題そっくりだと認識すべきだ。調べれば調べるほど2つの問題は同根同種であり、きのうきょう腐敗したというものではない。

 組織腐敗の根源は70年代にまで遡(さかのぼ)る。社保庁自治労国費評議会(今年4月「全国社会保険職員労働組合」と改称=組合員1万1000人)は72年から79年まで合理化反対のための(1)オンライン化反対と(2)身分を国家公務員から地方公務員に移せという闘争を激しく行っている。75年、国鉄では国労動労が「スト権奪回スト」を行い違法のストを8日間ぶち抜いた。自治労国労動労は共に総評の傘下で運動に参加した。73年、国労の富塚三夫書記長は順法ストやストをうつ覚悟を披瀝してこう述べたものだ。
 「国鉄が円滑に機能しないことは国の力を弱め、資本主義を崩壊させるのに役立つ」
 この倒錯した論理には耳を疑ったが、総評はこれで社会党をバックアップできると信じていた。傘下の社保庁自治労が同じ動機で仕事をサボっていたのは想像に難くない。

 違ったのは、違法闘争のあと、国鉄が毎年赤字を2兆円たれ流し、借金が37兆円も溜まっていることが顕在化し、改革に着手されたことだ。一方の社保庁の内臓疾患は外部に全く見えなかった。国鉄は87年に分割・民営化によって蘇生したが、社保庁は20年経ってようやく同様の手術を受けざるを得なくなった。

 国鉄が腐敗したのは国鉄官僚が国労動労に迎合したからである。国労とさえうまく付き合えば出世は保証された。労働省の労政担当でさえ国労の機嫌をとった。内部の事情は高木文雄総裁(当時)にさえ報告されず、高木氏は国会や土光臨調の場で「国鉄は徐々に良くなっております」と答えていた。

 ≪社保庁の3層構造≫

 社保庁は(1)長官と厚労省キャリア(2)社保庁採用のプロパー(3)各地方事務所の現地採用−の3層構造になっている。長官は1年在任してハクをつけて天下る。キャリアはことなく済めば2年で本省に帰れる。プロパーもこれらの“お客さん”をうまくあしらう。この状況の中で(3)はますます過激な運動に走った。

 公企体労組の運動に共通しているのは、賃金は人事院や公労委で決まるから必ず労働密度をスカスカにする運動に走ることだ。

 国労は機関車、客車の定期検修の時間まで労使協定で決めさせたが、これを真っ正直にやっても1日の実働は4時間かからなかった。新幹線の窓ガラス取り替えは8人×4時間で1枚と決められていたが、民間委託にしたら3人×1時間で済んだ。

 自治労国費評議会が79年当局と結んだ「覚書」は窓口装置を操作するのは「1日最高300分、キータッチ1万回」というのだが、これは国鉄の労使協定を上回るずっこけ勤労体制だ。

 基礎年金番号は96年度菅直人厚生相の時にシステム化し、小泉純一郎厚相時代に導入した。菅氏に責任があるとか小泉氏だとかいっているが、国鉄の破産前、歴代運輸大臣の責任が問われたことがあったか。菅も小泉も関係ない。

 国鉄といい社保庁といい“外局”の責任は総裁や長官が負うべきもので、高木総裁は時々、国会に呼ばれていた。社保庁長官が呼ばれなかったのは、与野党の責任ではないのか。各長官はほぼ1年務めて天下っている。その無責任体制は国鉄を上回る。

 国家公務員退職手当法では禁固以上の刑以外は退職金の返還を求めることができない。公務員が民間以上に保護されるいわれはない。即刻、手当法を改正して没収すべきだ。またずっこけ職員の給与も最低3割カットすべきだ。カットの理由付けが困難という意見があるが、民間会社が大損失した時、全職員が連帯して責任をとるのは当たり前だ。民間並みに責任をとらせる公務員法の改正を求める。

 ≪民主党がやるべきこと≫

 社保庁改革法は非公務員型の「日本年金機構」を作って、6分割する主旨だ。国鉄の7分割・民営化をなぞった解決法だ。民主党国税庁と一緒にして「歳入庁」を作れというのは米国式の発想だが、現実問題として大学に中学生を入学させるようなもので無理だ。民主党がやるべきことはまず支持母体の自治労に世間一般の常識を教育してやることだ。小沢一郎氏はこの自治労を選挙の手足にしているが、これではさながら「小沢自治労」だ。(ややま たろう=政治評論家)